4月21日

飽くなきロックギターへの好奇心!ギタリスト高見沢俊彦を育んだ80年代

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photo:PONY CANYON  

THE ALFEEのギタリスト、シンガー、コンポーザーとして第一線で活動を続ける高見沢俊彦が2019年4月17日、65才のバースデーを迎えた。その変わらぬ若々しいルックスとハイトーンヴォイス、クリエイターとしてのマルチな活躍ぶりと、これほどいい意味で実年齢とのギャップを感じさせる人物もいないだろう。

先回のコラム「フォークとメタル まさかの融合! 異彩を放つジャパメタとしての THE ALFEE」で、その魅力について書いたが、80年代に彼らのロック化を推し進めた原動力は、高見沢が内包していた「ロック魂」に起因することは間違いない。そしてTHE ALFEE流ロックの深化と比例しながら、彼自身のギタープレイも劇的な変遷を遂げてきた。

高見沢に多大な影響を与えたロックの原体験は、70年代の初頭からレッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド等の来日公演を観たことに溯るという。洋楽ロックのレジェント達のライヴを肌身で次々と体験したことで、彼の中でのロック観とギターヒーローへの憧れが育まれたことは想像に難くない。

実際にアマチュア時代には洋楽ロックのコピーに勤しんだ高見沢も、デビュー後の数年間はフォーク路線を実践したが、転機は80年代に入りやってくる。この頃のロックシーンではギターがフィーチャーされる HM / HR が再び注目を集め、日本でもジャパメタムーブメントが勃発。レイジーの高崎晃はラウドネスに転生し、高見沢と同世代のバウワウの山本恭司もポップ路線からメタルへと回帰していった。

丁度その頃、高見沢もフォークギターをエレキに持ち替え、ロック色を打ち出し始める。これはあくまでも HM / HR シーンからの視点であり、高見沢が一連の流れに呼応したわけではないが、3人の重要なギタリスト達が形は違えど時を同じくして、自らが望む音を奏で始めたのは興味深いことだ。

82年のアルバム『doubt,』は、未だフォークテイストも強いが、高見沢のエレキギターが本格的に導入されたエポックメイキングとなる作品だ。オープニングの名曲「シー・ユー・アゲイン」ではディストーションの掛かったギターサウンドが登場。その他でもギターソロが奏でられる楽曲が収められた。当時のライヴ映像を観ると、活き活きとエレキを奏でる姿を確認できる。

エレキ濃度を高めた『ALFEE』を経て、『ALFEE’S LAW』『THE RENAISSANCE』『FOR YOUR LOVE』では、高見沢がマグマのように溜めたロック魂を、多くの楽曲で激しい HM / HR として次々に表現していく。ロックギタリスト高見沢俊彦がここで完全覚醒したといえよう。この頃のギタープレイはテクニックうんぬんでは測れない熱さと勢いがあり、実に生々しく聴く者に迫ってくる。

変形ギターを使った特徴的なアーミング、速弾き、タッピングといった HM / HR 然とした奏法を、当時誰よりも幅広い音楽ファンにまで知らしめた先駆者は高見沢ではないか。それに影響を受けてエレキギターを手にした人も少なくなかったに違いない。その風貌も次第にロックギタリスト然としていった。

さらに『AGES』では、野太い歪みで骨太なロックテイストを滲ませて、一段とパワーアップした印象を与え、『U.K. Breakfast』では、新たな方向性として、U2 辺りを彷彿とさせる拡がりのあるギターワークを披露し、新境地を開いた。

そして86年に THE ALFEE と改名し活動を続けるなかで、89年にリリースした作品『DNA Communication』は、80年代に彼らが積み重ねてきた音楽性を総括するように網羅した力作だ。それは同時に高見沢のギタープレイにもいえることで、坂崎の俊逸なアコースティックギターも含め、振り幅の大きい緩急自在のギターアンサンブルを存分に堪能できる。インスト曲「Black Doctor」は高見沢のルーツを垣間見せながら、80年代に積み重ねてきたギタープレイも凝縮した逸品だ。

フォークギターからロックギター中心へ。コペルニクス的転回を見せた激動の80年代が、今も若々しい感性に彩られた高見沢を創出する源になったのだろう。

思えば、ギタリストとしての変遷の過程で、ど派手な変形オリジナルモデルやマニア垂涎のヴィンテージなどを次々と使用し、今や500本を超えるギターを所有。さらに、ステージ上ではマーシャルアンプで巨大な壁をつくるなど、常に HM / HR 系ギタリストの「憧れ」も具現化してきた。そして、どんなギタリストよりも数多くのライヴを行い、数え切れない楽曲でギターをかき鳴らし、ギターソロを紡いできた。

高見沢俊彦は、80年代が育んだ比類なきギターヒーローだ。ロックギターへの飽くなき好奇心が彼を突き動かす限り、彼が一番の悦びを感じるというステージに立って、美しくも熱い旋律を奏で続けてくれるだろう。

2019.04.17
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