先ずは小ネタから――
THE ALFEE は元々『ALFIE』という名前からスタート。その後『Alfee』となり、『ALFEE』、『THE ALFEE』となった。理由はあまりハッキリしない…
THE ALFEE が「メリーアン」でヒットを飛ばしたのは1983年。発売は6月21日。この時期の名前は『ALFEE』。
この時代に生まれてなかった方々に説明しておくと、ALFEE は「メリーアン」がヒットする前、既に武道館を埋めており、ヒット曲がないまま地味に売れていたバンドであった。「メリーアン」のヒットにより一般層にもその名が知れ渡ったのだが、この当時の人気はサザンオールスターズと比べても、あまり大差がなかったように思う… いやいや、本当にそんなに大差ない空気だったのだ。その後、ALFEE はヒット曲を連発、誰もが知るバンドに成長し、動員もうなぎ登り…
前置きが長くなってしまった。では本題に入ろう。1986年に話は飛ぶ―― ALFEE は THE ALFEE と改名する。
この頃、THE ALFEE は10万人ライブ、オールナイトライブと話題を振りまく。そしてテレビに出まくる状態であった。だが、この当時一部の人間達は気がついていた。
「アルフィーって、サザンとかとちょっと違うよな」
テレビに出ないバンドやミュージシャンが跋扈し始めた時代。でも THE ALFEE はテレビやラジオに出まくり、歌番組に限らずバラエティにも進出、“THE ALFEE は話が面白い” と皆が気付きはじめていた。この時期にサザンとは全く違うものと認識されたように思う。
海外の状況と比べてみると――
1986年、海の向こうではメタリカが売れ始め、メインストリームではモトリー・クルーあたりがビッグになりつつあった。その時、日本では THE ALFEE である。
続いて、日本ではバンドブームが到来。ジャニーズも女性アイドルも苦戦する時代に突入する。このブームで名を馳せたバンドは大量にいる―― レベッカ、TM NETWORK、ブルーハーツ、ラフィンノーズ、プリンセスプリンセス、X JAPAN(当時はX)、バービーボーイズ、NEW ROTEeKA(ニューロティカ)、筋肉少女帯、BUCK-TICK、BAKU、たま、スイマーズ… etc.
アンダーグラウンドでは、非常階段、スターリン、GAUZE(ガーゼ)、GISM(ギズム)、ハナタラシ、若い頃の恐悪狂人団の他、様々なバンドが本気でバンドをやっていた。
そして、表舞台は THE ALFEE である! この時期『AGES』というギターアルバムを発売。内容はバンドブームに合わせていて、完全にギターアルバム。何故か思春期の葛藤を歌うでのあった―― TVに出まくり、話も面白くお笑い番組でコントまでやる THE ALFEE。思春期の少年少女は音楽業界やTV業界やロック業界の内情など知りはしない。それゆえに、
「アルフィーってロック?」
バンドブーム時代、自称音楽通はそう言って半笑いした。THE ALFEE のファンじゃない連中は揶揄的な意味を込めて彼らのファンにわざとそんな感じで聞いていたはずである。今の若い子にわかりやすく説明すると、「ゴールデンボンバーってV系?w」みたいな感じだ(少し違う気もするが…)。
だって、THE ALFEE は外見がまず面白すぎたのである。オールバックにヒゲ、パーマとオーバーオール(サロペットジーンズ)、イケメンでロン毛の高音。イメージが統一されてない三人。そんな垢抜けないイメージが消えないところが、また個性だったのかもしれない… THE ALFEE のファンは当時からかなりの数がいて「ロックとか関係ないモン! 私はアルフィーが好きなの!」ときっぱり言い切る子が多かったように思う。
今や THE ALFEE がロックかどうか? なんてもう関係ない。フォークあり、ハードロックあり、スラッシュメタルあり、プログレッシブロックあり… 彼らは音楽の総合デパートなのだ。現在は民放テレビのブチ抜き音楽番組で、ももクロと一緒に歌ったりしているが、何でもアリなのが THE ALFEE だ。そう、彼らにジャンルなんか必要ないと歴史が証明しているじゃないか。
高見沢俊彦は60半ばに差し掛かってもドレスを着込み、背中に羽をつけてコンサート会場を舞う。そして、今も王子様である。V系ミュージシャンやジャニーズも真っ青だし、ファンじゃない方は見て見ぬフリだ! ヒゲ、アコギ、王子様、コレが THE ALFEE である!
普通ならこんな事を書くと「悪口を言うな!」とファンの方々に怒られそうなものだが、言われ慣れているのか、THE ALFEE ファンは心が大海のように広い!
そして、2001年―― THE ALFEE は、いきなりぶっ飛んだ曲を発表!「Punks Life」世界中のパンクスが暴動を起こしそうな曲だ。
「傍若無人なPunks Life!」「何も見えない未来だけどRealに生きようぜ!」「つまらないことは忘れてParty!」
ハードコアパンクをやってる連中も感動、感動、超感動の歌詞であろう。だが、彼らがパンクをやるというのは、ギャグなのか、マジなのかさっぱりわからない。
THE ALFEE、それはすでに一つのジャンルである。坂崎と高見沢はいまだ独身だがラブソングをバリバリ歌う。コレがロックなのかはわからないが、存在自体がロックだ!
THE ALFEE! 死ぬまでロックだぜ!
2018.09.16
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