12月1日

昭和を彩った【1980年代のクリスマスソング・ランキング】やっぱり1位は松任谷由実?

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昭和を彩った【1980年代のクリスマスソング・ランキング】というこの企画… めちゃくちゃハードルが高い(笑)。先に言い訳させてもらえるなら、これは僕の個人的な思い入れだけで決めたランキングなので、どうか最後まで温かい気持ちで見守って欲しい。“俺ならこうだ!” “私ならこれを選ぶ!” など盛り上がるのは大賛成なので、まず10位からご紹介しよう。

第10位:もう一度X’mas / 大江千里


比較的ロック色の強い軽快でポップなナンバー。曲調からクリスマスらしい雰囲気は感じられないけれど、若さ溢れんばかりの大江千里らしさが遺憾なく発揮されている。この「もう一度X’mas」が収録されたアルバム『未成年』は、オリコンアルバムチャート初登場5位を記録。彼の人気を不動のものにした。

また、1992年にリリースされたシングル「ありがとう」も番外編として合わせて記しておきたい。クリスマスソングではないけれど年の瀬に聴きたくなる定番曲だ。ちなみに、この曲を僕は『今年最後の「ありがとう」、大江千里の「ありがとう」』というコラムで取りあげているので、ぜひそちらもお読みいただきたい。

第9位:Merry Christmas Mr.Lawrence / 坂本龍一


坂本龍一は、この曲で英国アカデミー賞作曲賞を受賞している。西洋でも東洋でもない、民族や地域を超越したオリエンタルなメロディが聴く人を不思議な世界に誘うのだが、それはレとファを抜いたドミソラシの音階 “四七抜き音階”、つまりペンタトニックスケールで作られたメロディに秘密があると思われる。ただ、坂本龍一曰く “そんな簡単なものじゃない” そうだ。そりゃそうか。

映画『戦場のメリークリスマス』は、スクリーンで観られず20代の終わりに初めてビデオで鑑賞した。あまりに高尚な内容で正直よくわからなかったという雑な思い出がある(笑)。もちろん美しい曲に変わりはないが。



第8位:SWEET MEMORIES / 松田聖子


元々は「ガラスの林檎」のB面として発売された「SWEET MEMORIES」だけれど、あまりの人気にジャケットを新しいものに変え、改めて両A面シングルとして発売された名曲バラード。

“おいおい、これはクリスマスソングじゃないだろ!” とお叱りの声がありそうだけど、イントロが始まる前に響く鈴の音のアレンジとか、『サントリーCANビール』のCMも然り、雪の降る夜に1年の出来事を振り返るようなイメージがある。

個人的な思い出で申し訳ないが、僕は高校3年生のクリスマスイブに、5時間以上駅のホームで彼女が来るのを待ったことがある。昭和にありがちなすれ違いだ。その時にこの曲をずっと口ずさんで待っていたという強烈な記憶がクリスマスとセットになっているので、どうかご容赦願いたい(ちなみに5時間後、彼女は来ました)。

第7位:ラスト・クリスマス / ワム!


洋楽も少しだけ。1980年代の日本でヒットした洋楽のなかで、これを超えるクリスマスソングはないと思うけれど、どうだろう? ジョージ・マイケルの甘い歌声が切なさを演出​​していて、飲食店で働く身としては「ラスト・クリスマス」= “クリスマスの忙しさ” なので、僕にとっては “売れるだけ売ってやる!” と気合が入る1曲である。

洋楽クリスマス曲の番外編として、1990年代ならばマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」(All I Want for Christmas Is You)だろうか。ポップな曲調ゆえに調子に乗って体力の限界を超えて働いてしまうという、僕にとっては罪作りな曲だ。



第6位:クリスマスキャロルの頃には / 稲垣潤一


“おい!それは90年代のクリスマスソングじゃないのか?” というお叱りの声はちゃんと届いています… ええ、届いていますとも。けれど、1980年代を彩ったクリスマス曲の紹介とはいえ、これだけのヒット曲は外せないというのが僕の見解。今日立ち寄ったドラッグストアでもインストゥメンタルにアレンジされた同曲が流れていた。

TBS系ドラマ『ホームワーク』の主題歌、稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」である。まぁ、これを挙げちゃったら同年にリリースされたB'z「いつかのメリークリスマス」も紹介せざるを得ないだろう。稲垣潤一と合わせ技1本!ということで何とかご了承願いたい。同曲は、クリスマス定番曲のなかでも屈指のバラードであり、ファンならずともカラオケでチャレンジしたくなる曲である。

第5位:シャ・ラ・ラ / サザンオールスターズ


サザンオールスターズの「シャ・ラ・ラ」は、「ごめんねチャーリー」と共に両A面でリリースされた楽曲。この曲に関しても僕はコラム『サザンオールスターズ「シャ・ラ・ラ」桑田佳祐と原由子の声が混ざる心地よさ』を書いている。

 雪になりそな
 mery mery mery Christmas A men

歌詞の中に、こんな箇所があって、そこでようやく “クリスマスなのか!” と気づかされるという、僕にとってはクリスマスソングというより “今年もいろいろあったね…” と、年の瀬に聴きたくなる癒しの曲だ。



第4位:MERRY X'MAS IN SUMMER / KUWATA BAND


KUWATA BANDとは、原由子の産休を契機に桑田佳祐らが1年限定で活動したバンド。この曲はレゲエ調のアレンジで、7月にリリースされた夏の終わりの曲ゆえに “クリスマスらしさ” には少々欠ける。今回は変わり種としてランクイン。

ちなみに、TBSラジオの深夜番組『パックインミュージック』のパーソナリティー林美雄が、 “夏にもクリスマスのようなイベントを作ろう” というリスナーの提案により主催したイベントの開催日が1974年8月25日。それは日本に “サマークリスマス” という記念日が誕生した瞬間でもある。もしかしたらこのラジオ番組を桑田佳祐は聴いていて、“夏のクリスマス” という記憶が心の片隅に残っていたのかもしれない。

第3位:サイレント・イヴ / 辛島美登里


TBS系ドラマ『クリスマス・イヴ』の主題歌として大ヒット。僕はこのドラマを欠かさず観ていたこともあり、毎週金曜日は涙が枯れてイカの塩辛になっていた(笑)。

ちなみに、「サイレント・イヴ」のB面は、盟友・永井真理子らと前年に発売したオムニバスアルバムのタイトル曲『MERRY CHRISTMAS TO YOU』である。とにかくクリスマス尽くしだ。マライア・キャリーはクリスマスの女王と称されるが、辛島美登里はさながら “日本版クリスマスの女王” に違いない。



第2位:クリスマス・イブ / 山下達郎


もはや何の解説もいらないだろう。JR東海が仕掛けたCM『クリスマス・エクスプレス』の影響力は絶大だった。僕はこのCMに大変思い入れがあって、コラム『待つ女性から会いに行く女性へ「クリスマス・エクスプレス」に見るすれ違いの日々』を書かずにはいられなかった。

ちなみに、僕はバンドでベースを担当していて、有名曲だけに「クリスマス・イブ」を演奏する機会が多い。聴くほうはいいけれど、リズム隊としては弾いていて面白味がなく、演奏する身としては、山下達郎ライブで必ず1曲目に演奏される「スパークル」のほうが好み。

番外編として、竹内まりやが1995年にリリースした「今夜はHearty Party」と2001年にリリースした「すてきなホリディ」を挙げておきたい。これはどちらもケンタッキーフライドチキン関連のCMソングだ。「すてきなホリディ」は20年以上も前の曲にも関わらずいまだにガンガン流れている。日本中の人が必ずクリスマスを想起する名曲を夫婦2人で世に送り出したとか、もはや日本の文化功労者として表彰されてもおかしくないよね?

第1位:恋人がサンタクロース / 松任谷由実


栄えある第1位はこの曲。何故なら数多のクリスマスソングのなかにあって、珍しく “ハッピー” な展開の歌詞が綴られている曲だから。冬の寒さが人の心を切なくさせるのかどうか分からないけれど、クリスマスソングは何故か恋人との別れなど哀しさをともなう歌詞の曲が多いのである。

この「恋人がサンタクロース」は、ダイナミックなリズムアレンジとメロディにぶつけるコードがとにかくお洒落。サビの切ないセブンスコードからメジャーな展開に切り替えるところなど、どこもかしこも抜群のセンスを感じてしまう。クリスマス=ファミリー行事だった世の中を、恋人たちの一大イベントに導いた功績は偉大であり、それは1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』の主題歌に選ばれたことでも頷ける(もちろん映画もハッピーエンド)。ユーミンも、日本のクリスマス文化にひと役買った功労者のひとりに数えられると僕は思うぞ。



―― ということで、僕が選んだ昭和を彩った【1980年代のクリスマスソング・ランキング】
はこんな結果。どちらかというと王道セレクトだったけれど、どうだったかな?

“佐野元春はどうした!” とか “浜田省吾はないのか!” など耳が痛いし、アイドル歌謡曲も松田聖子しか入れてないから誠に心苦しい限りである。まぁ、ほとんどの歌手、ミュージシャンはクリスマスソングを歌っているので “そんなの全部紹介なんてできないよねー” というヤケクソな言い訳しかできませぬ…。あしからず(笑)。

それではみなさん、よいクリスマスをお過ごしくださいね。Happy Christmas to you !


Original Issue:2021/12/19

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2024.12.14
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カタリベ
1967年生まれ
ミチュルル©︎たかはしみさお
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