平成最後のクリスマスシーズンとなった。 この後、平成最後の大晦日がやって来て、平成最後の年越し蕎麦を食べる訳で、もう “平成最後” の大安売りである。昭和は遠くなりにけりである。 今年の夏「平成最後の夏休み」と銘打って、小学生を対象とした『夏休み新聞作り講座』をショッピングモールで開いたのだが、何と100名の応募に対して参加したのは… 100人座れるだだっ広い教室に5名。 夏休みなのでみんな遊びに行ってしまい、ワークショップに参加したのはたったの5名。 私は講師として呼ばれただけなので責任はなかったが、企画した代理店さんは平成最後の地獄を見たことであろう… かわいそうに。 さて1989年というバブル景気真っ盛りの時に平成は始まった。その年のクリスマスは街中が電飾で飾られ、白いカシミヤのコートで着飾った女性をエスコートするために、男たちは「ティファニー」の紙袋を手に銀座の街を歩いた。街頭スピーカーからは定番の山下達郎「クリスマス・イブ」や岡村孝子の「クリスマスの夜」、その年ヒットした JUN SKY WALKER(S)の「白いクリスマス」、などが流れていた。 そんなセレブな世界と縁のなかった私は、スキー場でアルバイトをしていたのだが、このクリスマス時期にはナイター終了後にインストラクターによる「松明滑走」が連日行われた。 「松明滑走」とは、20人程度のインストラクターが両手にタイマツを灯して、様々な形態で滑り降りてくるという、まさにホワイトクリスマス・イルミネーションであり、観ている方はとても幻想的で、それはそれは美しいものであった。そう、観ている方は… ね。 ゲレンデのスピーカーからはユーミンの「恋人がサンタクロース」が山にコダマしている。しかし、タイマツを持った女性のイントラなどは半泣き状態。 これ、メチャメチャ熱いのである。 カップルがホテルの部屋で肩を抱きながら、その模様をうっとりと眺めている。 前走者の火の粉が顔に掛かるが、間を空けるとカッコ悪いのでシンガリを務める先生から「〇〇君、間空けるな~」と激が飛ぶ。 カップルが眺めている。 火の粉が顔に掛かる。 「恋人がサンタクロース」がコダマしている。 そんな感じで幕が上がった平成も終わろうとしている。
2018.12.01
VIDEO
YouTube / 松任谷由実
Apple Music
Information