今回はとても大胆発言をしながら、このコラムを書いていきます。
それは…
「この曲の歌詞のイメージモデルは私かもしれない」
以前から、「ユーミンはファミリーレストランで、隣の席から聞こえてくるカップルの会話をこっそり聞いて、それを歌詞にしている」と、ファンの間では楽しい、なんだか嬉しいエピソードとして語り継がれています。
1980年代はラジオという電波のアイテムがとても人気があり、私もラジオ番組が大好きで、高校生の頃は “FM東京” のユーミンの番組「サタデーアドベンチャー」(のちに「サウンドアドベンチャー」に改題)を毎週聴いていました。
番組への曲のリクエストや、自分の周りで起きた出来事エピソードなどを毎週のようにハガキに書いて送り、いわゆる「ハガキ職人」(懐かしい言葉!)のようになっていたのです。
そして、片思いで好きだった男子大学生と渋谷で待ち合わせた、ある日のデートについて、ハガキに書いてユーミンのラジオ番組に送りました。
高校生の私は、背伸びをして大人の女性に見えそうな【白いワンピースに白いハイヒール】を合わせて、めいっぱいのオシャレをした気持ちで1980年代の待ち合わせの渋谷に向かいました。
でも、悲しいことに、その日は強い雨が降り続き、私のワンピースはずぶ濡れ。ハイヒールもアスファルトの水溜りで濡れてしまい、まだまだ気持ちが子供な私は、待ち合わせ場所に着く前に、悲惨な自分の姿が悲しくて悲しくて、涙が溢れて駅の階段で佇んでいました。
せっかくオシャレしたのに、雨で濡れた悲惨な姿を彼に見せる勇気がなくて、悲しくて。。。
さあ 明日は何を着てゆこう
ゆうべ何度も鏡に向った
白い服 白いロウヒール
結構 似合うと思って決めた
目覚めて外を見たらひどい雨降り
何も云えずに
服をたたんだ
予定ができたと電話を切った 雨降り
雨降り Hu hu hu hu
1986年発売のアルバム『アラーム・ア・ラ・モード』に収録されている「白い服、白い靴」の歌詞が、私がユーミンの番組に送ったエピソードと、なんとなく似ている気がしました。
私が履いていたのは「白いハイヒール」。
ユーミンの歌詞では「白いロウヒール」。
もし、私が経験したあの悲しい出来事を、本当にユーミンが参考にしてくれたのだとしたら… そんなことを30年、ずっとひとりで、心の底で期待しわくわくしていました。悲しい思い出も、良かった思い出に。
ユーミンに、訊いてみたいような、
このまま私の勝手な妄想で夢を見続けていたいような…。
2017.03.26
Rutube / Sonate64
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