2月6日

バングルス「冬の散歩道」大衆音楽の歴史における屈指のカバーソング!

30
0
 
 この日何の日? 
バングルスのシングル「冬の散歩道」ががビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます

 
 1988年のコラム 
ニューヨークでスティングは歌う、それが僕のアイデンティティ!

追悼:レナード・コーエン ① ~ 名盤「ロマンシェード」との出会い

長渕剛のセルフカバー「乾杯」瀬尾一三が曲に纏わせた人生のリアリティ

自由への疾走、デヴィッド・ボウイのロックンロールで夜を駆け抜けて!

それが音楽の魔法、時の流れに左右されることのないアーマ・トーマス

メガデスとモトリークルー、ロサンゼルスの「アナーキー・イン・ザ・UK」

もっとみる≫




共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.72
Hazy Shade Of Winter / The Bangles

ゴーゴーズを上回る最強のガールズバンド、バングルス


80年代最強のガールズロックバンドといえば、それはもうバングルスをおいて他に勝るものはないだろう。ビルボードHOT100にエントリーした曲は全部で8曲、そのすべてがトップ40ヒット、ナンバーワンソングは2曲を輩出している。これらの実績は、80年代ガールズグループの双璧と呼ばれたゴーゴーズを大きく上回るもので、80年代後半(1986年~1989年)と期間は限定され短かったものの、バングルスが名実ともに80年代ガールズロックバンドのトップの座にいたことは明らかだ。

バングルスが残した全米ナンバーワンソングは2曲。『ジョジョの奇妙な冒険』で使用され今や日本の若者にも耳なじみとなった「エジプシャン(Walk Like An Egyptian)」(1986年1位)、そして全人類の心の琴線を揺さぶった永遠不滅のバラード「胸いっぱいの愛(Eternal Flame)」(1989年1位)。特に後者はカバーの多さも相まって、共有感は限りなく100%に近いのではないだろうか。

サイモン&ガーファンクルの名曲を見事にカバー


そんなバングルス・レパートリーの中でも、ナンバーワン獲得曲以上に彼女たちの代表曲として君臨している作品がある。それが2曲存在する最高位2位ソングだ。すなわちプリンスが提供してまさしく出世作となった「マニック・マンデー」(1986年2位、『トップを取れないバングルス、プリンス殿下のアメとムチ大作戦?』参照)、そして80年代70番目に誕生したナンバー2ソング「冬の散歩道(Hazy Shade Of Winter)」(1988年2位)!

アメリカが生んだ最強男性デュオ、サイモン&ガーファンクルが1966年に放ったヒットソング(1966年13位)を、見事な換骨奪胎カバーで蘇らせたのが、この「冬の散歩道」だった。カバーヒットというのはおおよそいつの時代にもコンスタントに生まれているもので、もちろん80年代にも多く存在している。ナンバーワンヒットだけでも10数例が挙げられ、その多くが80年代後半に集中。たいていがダンスミュージック風だったり(バナナラマ、キム・ワイルド、ティファニー、UB40…)、ストレートなカバーだったりする(ポール・ヤング、ホィットニー・ヒューストン、ロス・ロボス、マイケル・ダミアン、シンプリー・レッド…)。そんなカバー集中期に、ひときわ異彩を放っていたのがバングルス版「冬の散歩道」だ。

サイモン&ガーファンクルのイメージからかけ離すような、アバンギャルドかつメタルチックなロックアプローチに徹したバングルス流換骨奪胎… それでいて元来この楽曲が保持していた、荘厳さや冷徹さのようなもの、そしてイントロからかき鳴らされる印象的ギターフレーズが醸し出す狂気さえをも内包するようなロックンロール精神… それらがすべて増幅されているのだから、これを名カバーと呼ばずして何を名カバーと呼べばいいのだろう。

映画「レス・ザン・ゼロ」サウンドトラックに収録


間違いなくバングルス「冬の散歩道」は、80年代の、いやいや大衆音楽の歴史において、屈指のカバー名曲だったのだ。カルト的な人気を誇った映画の、一筋縄ではいかないアーティストたちが大集合した(スレイヤー、パブリック・エネミー、ロイ・オービソン等によるカバー曲のオンパレード!)サントラ『レス・ザン・ゼロ』(1987年)に収録されていたという相乗効果もあっただろうが、バングルスにとってこのカバーは “単なるかわいこちゃんバンドじゃない” というイメージの植え付け、箔付けに寄与したわけだ。この後の「胸いっぱいの愛」のナンバーワンヒットは、「冬の散歩道」があったからこそ、と思えて仕方がない。

そしてあらためて気づかされるのが、「冬の散歩道」という楽曲の秀逸さ。あのギターフレーズだけでも “勝ち” な作品ではあるが、根底に流れるクールなロックスピリットは、聴く者の心を必ずやハッとさせるのではないだろうか。それを極限にまで増幅させたバングルス・バージョン…作者のポール・サイモンも、思わず膝を打ったに違いない。


※ KARL南澤の連載「共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味」
ジャンル、洋邦、老若男女を問わないヒットソングにある ‟共有感”。米ビルボードのチャートがほぼそのまま日本における洋楽ヒットだった80年代。ナンバーワンヒットにも負けず劣らずの魅力と共有感が満載の時代に生まれたビルボードHOT100 2位ソングを紐解く大好評連載。

■ ホワイトスネイクが気を吐いた!全米チャートでヒットした2曲のロッカバラッド
■ 圧巻のマドンナ旋風、その全てが次世代ダンスミュージックの原点!
■ プリンス feat. シーナ・イーストン、典型的ミネアポリス・ファンクが炸裂!
etc.


2020.08.03
30
  YouTube / TheBanglesMusic


  YouTube /  Simon & Garfunkel
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
コラムリスト≫
35
1
9
8
6
トップを取れないバングルス、プリンス殿下のアメとムチ大作戦?
カタリベ / KARL南澤
36
1
9
8
2
みんな大好きゴーゴーズ!夏が来ると聴きたくなる曲がある
カタリベ / 宮井 章裕
10
1
9
8
7
プリンス feat. シーナ・イーストン、典型的ミネアポリス・ファンクが炸裂!
カタリベ / KARL南澤
50
1
9
8
9
胸いっぱいの愛、バブル女子をノスタルジックな気分にさせるには!?
カタリベ / 中川 肇
39
1
9
9
0
ただの色物ではない、プリンスは稀代の天才メロディメーカー
カタリベ / 中川 肇
22
1
9
8
9
青春の挫折と欲望の輝き、映画「レス・ザン・ゼロ」の音楽とファッション
カタリベ / inassey
Re:minder - リマインダー