12月19日

ホワイトスネイクが気を吐いた!全米チャートでヒットした2曲のロッカバラッド

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ホワイトスネイクのシングル「イズ・ディス・ラヴ」がビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
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共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.71
Is This Love / Whitesnake

世界中で沸き起こったハードロック・ムーヴメント


1980年代、様々な音楽的事象が世界レベルで起こっていたわけだが、主に80年代中盤から90年代初頭にかけて勃発した “ハードロック・ムーヴメント” には、誰もが夢中になったバンドのひとつやふたつを挙げることができるのではないだろうか。

ヴァン・ヘイレン、ボン・ジョヴィ、ガンズ・アンド・ローゼズといったビッグ・ネームを筆頭に、LAメタルブームから台頭したモトリー・クルー、ラット、ナイト・レンジャー、クワイエット・ライオット、ポイズン、ウォレント等々、枚挙にいとまのないバンドたちが、ヒットチャートを賑わせていた。

ところでここまで挙げてきたのは、すべてアメリカのバンド勢だ。では、独自のハードロックの世界観を形成してきたイギリス勢はどうだったのかというと… もちろん、このムーヴメントを黙って指をくわえて見ていたわけではない。80年前後のNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)シーンを通過したいくつかのバンドが、世界に殴り込みをかけている。

全米1位に輝いたホワイトスネイク、デフ・レパード、バッド・イングリッシュ


デフ・レパード、オジー・オズボーンの世界的成功を筆頭に、アルバム / ステージアーティストとしてアイアン・メイデン、モーターヘッド、ジューダス・プリースト等が後世へ大きな影響を残している。ちなみに、ディープ・パープルやブラック・サバス等は60年代から活動している。

そんな中、一般的な印象的シングルヒットを輩出したという意味で、デフ・レパードに勝るとも劣らない活躍をしていたのが、ベテランのハードロックグループ、ホワイトスネイクだ。80年代後半のブリティッシュハードロックバンドが、ビルボードのシングルチャートHOT100にてナンバーワンを獲得したのは、たったの3例しかない。

■ ヒア・アイ・ゴー・アゲイン / ホワイトスネイク(1987年1位)
■ ラヴ・バイツ / デフ・レパード(1988年1位)
■ ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル / バッド・イングリッシュ(1989年1位)

そしてホワイトスネイクはもう1曲のメガヒットを残している。それが80年代69番目に誕生したナンバー2ソング「イズ・ディス・ラヴ」(1987年12月2位)だ。

デヴィッド・カヴァデールがアメリカに挑んだ2曲のロッカバラッド


名門ディープ・パープルのヴォーカリストを経て、70年代後半からソロ~自身のバンドを主宰してきたデヴィッド・カヴァデール、彼が率いたバンドがホワイトスネイク。ブリティッシュ・ハードロックの様式美を作り出したようなバンドが、80年代後半のメジャーなヒットチャートで気を吐いていたなんて、世界のヘヴィメタルファンは快哉を叫んでいたに違いない。

ただしこれらホワイトスネイクの2曲のヒットソング(及び英国勢のナンバーワンヒットも)は、いずれもがロッカバラッド、パワーバラッドと呼ばれるような、普遍的な美しいメロディを伴ったスロウ曲だった。その源流は、60年代ブリティッシュ・インベイジョンにおけるザ・キンクス、クリーム等、あるいは70年代レッド・ツェッペリン「天国への階段(Stairway to Heaven)」(1971年)等に求められるのかもしれないが、産業ロック的なコマーシャリズムが加味されたという意味合いならば、ジャーニー「翼を広げて(Open Arms)」(1982年2位)あたりに端を発している。

英ハードロックバンドが、大衆音楽のメインストリームでヒットを放つことの限界性が垣間見られたり、ステレオタイプな見た目(ファッション含む)、あるいは臨む姿勢みたいなものが、ともすれば揶揄される(揶揄された)側面もあったわけで… デヴィッド・カヴァデールは、さらには受け手側だったハードロックファンも、そんなことは “承知の上” だったのだろう。少なくともホワイトスネイクの2大ヒットたる、この2曲のロッカバラッドは、大衆から確たる支持を得た作品だったのだ。その大衆のほとんどが、グレーゾーンに位置していた音楽ファンであったのだが。


※ KARL南澤の連載「共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味」
ジャンル、洋邦、老若男女を問わないヒットソングにある ‟共有感”。米ビルボードのチャートがほぼそのまま日本における洋楽ヒットだった80年代。ナンバーワンヒットにも負けず劣らずの魅力と共有感が満載の時代に生まれたビルボードHOT100 2位ソングを紐解く大好評連載。

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2020.06.23
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カタリベ
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