1月5日
スタイル・カウンシルよりずっとクールだったブロウ・モンキーズ
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photo:The Blow Monkeys  

最近、リマインダーのコラムを読んでいて気づいたことがある。1980年代後半のネタの多くに、僕はついていけないのだ。カタリベの皆さんの体験談に共感できないどころか、そもそも人名や曲名が初耳というのも少なくない。まるで僕がその時代に生きていなかったんじゃないか、とさえ思えるほどだ。

思い起こせば、大学生になってクルマに乗るようになると、僕の生活は大きく変わった。それ以前は、外出して遅くなっても終電で帰宅するのが普通だったから、少なくとも毎日24時間の3分の1は自宅で過ごしていた。だが、クルマがあれば無理して帰る必要はない訳で、必然的に僕がテレビやラジオの前で過ごす時間は激減した。

これは、音楽に関する知識の多くを放送媒体から入手していた僕にとって、とてつもなく大きなことだった。その結果、僕の情報源は、大学の音楽仲間やアルバイト先の人々、またはレコード店の店頭か音楽雑誌に限られることになった。こうして、僕はマスマーケットのトレンドにすっかり疎くなってしまったのだった。

そんな僕が当時模索していたのが、シャーデーやスタイル・カウンシル、及びその周辺の音楽だった。今思えば若気の至りとしか言いようがないが、その頃はそれが “おしゃれ” とされていたのだ。

例えば、シンプリー・レッド『メン・アンド・ウィーメン』、レベル42『ラニング・イン・ザ・ファミリー』、キュリオシティ・キルド・ザ・キャット『キープ・ユア・ディスタンス』、リビング・イン・ア・ボックス『リビング・イン・ア・ボックス』、スウィング・アウト・シスター『ベター・トゥ・トラベル(It's Better To Travel)』は、全て僕が87年に購入したアルバムで、これらの中から選曲・編集して愛車の中で四六時中流していたのだった。

このように「80年代半ばの英国で大量発生した “洗練された” ポップミュージック」のことを「ソフィスティ・ポップ(Sophisti-Pop)」と言うそうだが、中でも、僕が特に気に入っていたのがブロウ・モンキーズだ。

このバンドは、スコットランド出身のドクター・ロバート(ギター&ボーカル)を中心に81年に結成された4人組で、他の3人はベースとドラムとサックスという少々変わった編成だった。

ドクター・ロバートはポール・ウェラーとかなり親しかったようで、英国労働党を支持するレッドウェッジという運動に一緒に参加していたし、スタイル・カウンシル来日時にはギタリストして帯同したこともあった。

この2つのバンドはサウンド面でも共通点が多く、よく比較されていたが、僕は圧倒的にブロウ・モンキーズの方がカッコいいと思っていた。

87年にリリースされたアルバム『オンリー・ア・グローサーズ・ドーター(She Was Only a Grocer's Daughter)』は、「雑貨屋の娘のくせに」とタイトルからしてマーガレット・サッチャー(当時の首相&保守党党首)の出自を揶揄していて、内容的にも政権批判満載だったが、当時の僕にそんなことは全く関係なかった。

そのサウンドは、70年代のニュー・ソウルやフィリー・ソウルの影響を存分に受けたものだ。シングルヒットした「ビー・ディス・ウェイ(It Doesn't Have to Be This Way)」だけでなく、「デイ・アフター・ユー(The Day After You)」では敬愛するカーティス・メイフィールドと夢の競演を果たすなど、黒人音楽への傾倒を色濃く反映した傑作だと、30年前の僕は心の底から思っていたのだった。


The Blow Monkeys / It Doesn't Have to Be This Way
作詞・作曲:Dr.Robert
プロデュース:Michael Baker for Simple Simon Inc. with help from The Axeman
発売:1987年1月1日

2017.09.06
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  YouTube / TheBlowMonkeysVEVO


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カタリベ
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