1月19日

令和の10代に伝えたい!伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」謎演出ランキング

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令和の10代に伝えたい!伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」謎演出ランキング

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ザ・ベストテン、歌唱中の謎演出


私はこれまで、リマインダーで『ザ・ベストテン』に関するコラムを様々な切り口で3本寄稿させて頂きました(※1)。さて、久しぶりに別の切り口から私の好きなザ・ベストテンを回想してみようと思います。今回注目したのは、歌唱中の演出についてです。

とりわけ、番組内でちょいちょい見られた、歌の内容にいっさい関係ない “斜め上” の演出、いわゆる “謎演出” に注目し、ランキング形式で発表してみたいと思います。リアルタイム世代には懐かしい物があるかもしれませんし、若い世代には理解不能な物も多いかもしれません。平成世代の方には、「あぁ、昭和の歌番組ではこんなことをやっていたんだ」と参考にして頂ければ幸いです。

なお、山本譲二の「みちのくひとり旅」における有名な “ふんどし演出” のように、謎演出ではあるけれど “名演出” にカテゴライズされる物は除外し、令和の歌番組ではまずやらなそうな “迷演出” を中心にピックアップしています。

第10位:恋はご多忙申し上げます / 原由子 ボディビルダー演出(1983年)


ソロとして初のベストテン入りを果たした原坊。この曲ではピアノの弾き語りではなく、ハンドマイクを片手に歌う姿が新鮮でした。

曲の前半では黒のタキシードを着た4人の男が原坊を囲む形で踊ります。ここまでは良かったのですが、曲の後半、入れ替わるようにして筋肉ムキムキのボディビルダー4人が登場し、踊りながら原坊に接近。そのうち一人は振付をよく覚えてないようで、振りが合っていません(笑)。これにはさすがの原坊も最後は笑いを堪えることができませんでした。



第9位:夏ざかり ほの字組 / Toshi & Naoko 犬の宴会演出(1985年)


曲のイントロが流れ、何やら影絵遊びの障子が開くと、中では本物の犬たちがお膳を囲んで芸者さんたちと宴に興じている光景が。何でしょうこれは。演出意図が高度すぎて、曲のどういう世界観を伝えたいのか正直よく解りません(笑)。

ちなみにザ・ベストテンでは様々な動物が歌を盛り上げてくれました。私が動物関係で特に印象に残っているのは、杏里のチンパンジーと山下久美子の象ですね。



第8位:サンセット・メモリー / 杉村尚美 お坊さん演出(1981年)


この日の杉村尚美は和装での歌唱。セットはお寺の境内か何かでしょうか。何やら、雨乞いをする坊さんが空に向かって合掌する静かな展開から歌が始まります。

ところが、大サビの手前でいきなり坊さんが覚醒し、両手を天に突き上げます。するとどうでしょう、雨嵐が巻き起こり、坊さんが雷に打たれて悶えています! 静から動へと言ったらいいのでしょうか。いずれにしても意味不明な演出です。

第7位:僕 笑っちゃいます / 風見慎吾 電車演出(1983年)


「電車の扉が閉まる瞬間 急に君だけ飛び降りたんだ」の歌い出しで、電車に取り残された慎吾ちゃんが辿り着いたのは、夏の砂浜や冬の雪山。砂浜ではスイカ割りの棒で叩かれたり、雪山ではドカ雪をかぶったり、着いた先々で散々な目に合います。

このセットではヒロイン役として清水由貴子がゲスト出演。2分半の間に情報量が多すぎるこの演出はなかなかの大作で、再放送でもう一度見てみたいです。



第6位:ハイスクールララバイ / イモ欽トリオ お料理演出(1981年)


5週目の1位を獲得したこの日の演出の主役は松田聖子。歌が始まってから終わるまでの3分間の間に、聖子ちゃんがオムレツを作るという演出でした。

聖子ちゃん、オムレツを作るのは初めてらしく、終始目を白黒させながらフライパンと格闘する姿が何とも可愛らしい!

なお、イモ欽トリオはお笑い系だったせいか遊び心に溢れた演出が多く、メンバーの初恋相手がサプライズでシャコ貝に乗って出現する演出や、ビックリハウス風に360度回転する大がかりなセットの中で歌う演出なども印象的でした。



第5位:喝! / シブがき隊 人間筆演出(1984年)


シブがき隊もベストテンの謎演出に愛されたアイドルと言って良いでしょう。この日の演出は “人間筆”。これは筆役の人を逆さにして持ち上げ、髪の毛に墨汁をつけて、大きな紙に毛筆で文字を書くもので、歌の終わりには見事な「喝」の文字が完成しました。

ところで、この放送回(1984年4月26日)は、チェッカーズの “ゴジラ演出” や、倉沢淳美の “おじさんスキップ演出” など、まさに “謎演出の玉手箱” な放送回であり、ベストテンマニアとしては再放送が強く望まれます。

第4位:小麦色のマーメイド ~ NINJIN娘 / 松田聖子 ~ 田原俊彦 巨大迷路演出(1982年)


この日はランキング3位の松田聖子と2位の田原俊彦が揃ってミラーゲートから登場。この日はなんと、Gスタジオに組まれた巨大迷路を歩きながら歌うという演出でした。

聖子ちゃんは、迷路のどこかで待っているトシちゃんに、次の歌が始まるまでにマイクを渡さなければいけません。聖子ちゃん、最初は余裕で迷路を練り歩いていましたが、アウトロに入ってもまだトシちゃんが見つからずパニックに! 見ている方もハラハラどきどきの時間でしたが、なんだか楽しそうな2人を見て、こちらまで遊園地に行っているような素敵な気持ちになりました。

第3位:輝きながら・・・ / 徳永英明 ツルツルおじいちゃん演出(1987年)


曲がロングヒットになり出演回数が増えていくと、製作スタッフが何かを企もうとするのがザ・ベストテンの常。1987年、徳永英明はこの「輝きながら・・・」でブレイクを果たしますが、ランキング8週目(1987年10月29日)の放送で、スタッフはあるドッキリを仕掛けます。それは「輝きながら・・・」を歌っている徳永のバックで、ツルツルにハゲたおじいちゃんたちが一斉に野球帽を取るというもの。

サビの絶妙なタイミングで脱帽したおじいちゃん達の頭皮は確かに輝いていましたが、夢中で歌唱する徳永さんは、あまり気づいていなかった様子。言っておきますが、これは「ひょうきんベストテン」じゃないですよ!

第2位:ふられ気分でRock'n' Roll / TOM☆CAT 洗面器演出(1985年)


シンセサイザーの弾き語りスタイルで知られるTOM☆CATのこの曲は、TOMがAメロで息継ぎなく一気に歌う様子から、その息の長さが話題になりました。そこでベストテンが演出に用意したのが、水の入った洗面器!(笑)。

白衣の研究者や袴姿のエキストラが歌の最中はずっと洗面器に顔を付けていて、TOMのブレスのタイミングにだけ顔を上げることが許されるという、息の長さを実際に検証する演出が施されました。こうした “くだらなさ” は、令和の歌番組に一番欠けている要素と言えるかもしれません。

第1位:お久しぶりね / 小柳ルミ子 ゴリラとターザンとスーパーマンの演出(1984年)


栄えある1位に選出したのは、小柳ルミ子の「お久しぶりね」です。セクシー衣装に身を包んだルミ子さんは、ジャングルの中で手首と足首をチェーンでロックされ捕らわれた状態で歌い始めます。

周囲にはルミ子さんを虎視眈々と狙う大量のゴリラが。すると「アァァーー」の雄叫びと共にターザンが登場し、ルミ子さんを救い出します。歌の終盤には、そのターザンがなぜかスーパーマンに変身し再登場(笑)。完成度、物語性、くだらなさ、全てにおいて傑出した、番組史上に残る謎演出でした。





―― 以上、ザ・ベストテンの謎演出ベストテンをお送りしましたが、いかがだったでしょうか。昭和の歌番組ではこれだけ奇想天外なことを毎週生放送でやっていたというのは、今振り返ってみても驚くべきことです。また、ランキングに挙げた以外に、初期のサザンオールスターズも面白い演出があった気がするのですが、権利上の問題のためか、CSチャンネルの再放送ではいつも彼らの出演部分がカットされており、これらの貴重映像がお蔵入りとなっている状況は非常に勿体ないと感じています。

もし番組が長く続いていたら、こうした演出を喜んで受けてくれたアーティストは平成時代にも居たかもしれませんね。ゴールデンボンバーはこうした謎演出と親和性が高そうですし、T.M. Revolutionあたりも毎週ド派手演出で楽しませたかも!? 番組終了から30年以上が経った今でも、私はそんな妄想を膨らませて楽しんでいます。

ところで、全国に数千人、いや数万人居るかもしれないザ・ベストテンのアーカイヴァーの皆様!「まだまだこんな謎演出ありまっせ!」という情報をお持ちでしたら、是非SNS等にお寄せ頂ければ幸いです。そんな皆さんといつの日か “謎演出の思い出” を語り合えたら最高です。


編集部注:冒頭で紹介した『ザ・ベストテン』に関連するコラムはこちらです。併せてご覧ください。
『今週のスポッ・・・トライト! 回転扉の向こうからやってきたヒット曲』
『テレビの歌番組から消えた「イントロ曲紹介」絶対に笑ってはいけないその存在意義』
『80年代の「ザ・ベストテン」に学ぶ美しき世代交代、懐かしむより超えてゆけ!』


※2022年1月15日に掲載された記事をアップデート

▶ ザ・ベストテンに関連するコラム一覧はこちら!



2023.01.20
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