高校生だった僕が初めてBOØWYを意識したのは、渋谷のレコード店で『GIGS JUST A HERO TOUR』の緑色の限定版を目にしたときのことです。あるなぁと思いながらも買わずに帰り、のちに “中古は出会い” という格言を肝に命じることになります。間もなく「B・BLUE」(1986年)で人気爆発。“以前からの” ファンがわんさかでてきて「BAD FEELING」が最高とか「わがままジュリエット」ぐらいから注目していたとか、何度耳にしたことでしょう。
ライブには山下久美子さん(布袋さんの前妻)が出てきて、“私の彼” と紹介するお宝映像が流れたり、みんな寝ても覚めてもBOØWYでした。アルバム『BEAT EMOTION』(1987年)、シングル「ONLY YOU」、「Marionette」が矢継ぎ早にでて、あれよあれよというまに超のつくほどメジャーなバンドとなりました。その頃ヴォーカルの氷室さんはMCで、「伊達に日の丸しょってロックしてるんぢゃねーぜー」とか「King of Rock'n Roll」とか口にしていましたが、その絶頂期に前触れもなく解散してしまいます。
でも今日はその後の話です。氷室さんはほどなくしてソロ活動を始めました。ポップなシングル「ANGEL」で順調に滑り出し、ファーストアルバム『FLOWERS for ALGERNON』を出し、アルバムから「DEAR ALGERNON」をシングルカットしました。僕はといえば、当時のベストセラー小説『アルジャーノンに花束を』の名を冠したことに理由もなく反感を覚え、タイトル曲だけをシングルで購入することにしました。