1984年、高校2年の夏。僕に年下の彼女が出来た。テニス部に所属する彼女は笑顔が可愛いアイドル的な存在で、当時、私はバスケ部の5番(ちなみに背番号5番はエースナンバー!)という、いかにも絵に描いたような青春グラフィティ “夏の日の1984” だった。
学校の周りは一面のスイカ畑で、徒歩20分ぐらいの所に、大きな海水浴場があるグッドロケーション。部活の帰り、人目を盗み彼女を自転車に乗せ、海まで行くのが定番のデートコースだった。まあ、一面スイカ畑だったため、隠れても無駄だったが。
砂浜に腰掛けながら語り合う二人は、
まさに「真夏の果実」
この恋はいつまでも続くと信じていた。
短い夏が終わり、海の家も店じまいをはじめ、
海での甘いデートが、いつしか近所のショッピングセンターに変わっていた。
Woman's emotions and autumn sky
ー女心と秋の空ー
No! Winter Sky
足早に秋が過ぎ去り、冬が訪れる頃、突然彼女の口から「別れたい…」との言葉が。
焦った僕は彼女を繋ぎ止めようとあれこれ考え(考え過ぎて360度戻ったりしながら)、彼女に今の気持ちをカセットテープに入れてプレゼントする事を思いついた。
満を持して贈った曲は、ハイ・ファイ・セットの「霧雨で見えない」と、大沢誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」。予定では、起死回生の逆転ホームランのはずだったが、それ以降音信普通になった…
今思うと、海での甘いデートが、近所のしょっぱいショッピングセンターになったのが理由だったと信じてる(信じたい)。
2016.01.11
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