2月21日

ポストBOØWYの金メダル!UP-BEATが育んだ80年代ビートロックの豊穣な恵み

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UP-BEATこそ、ポストBOØWYの金メダル!


心の中の “ポストBOØWY選手権”。僕の場合、表彰台で金メダルを手にしているバンドは、中学時代から変わることなくUP-BEATだ。

その両脇、銀メダルにKATZE、銅メダルのJusty-Nastyが並ぶ。ほか上位入賞者にはDe-LaxやLINE-UP、千年COMETS(ユイ音楽工房枠)、ROGUE(群馬枠A)らが名を連ねている。THE STREET BEATSと横道坊主は少し離れた場所で興味なさ気にタバコをふかしている。

その時、もっと遠く僕の目の届かない地下で、BUCK-TICK(群馬枠B)が髪を逆立てながら「バクチク現象」の布石を打っている……。

国生さゆり「バレンタイン・キッス」とUP-BEAT「Rainy Valentine」


僕の80年代終わりの心象風景。1987年のBOØWY解散宣言が中学2年。夢を見ているヤツらに贈られた「DREAMIN’」。中2病のトビラ全開の季節。2月にあちこちで国生さゆりの「バレンタイン・キッス」が流れ出すと、あの頃の中2病が頭をもたげてくる。UP-BEATの「Rainy Valentine」(1990年)が記憶の底でよみがえる。

たとえば、スーパーのチョコ売り場で、今流れている国生さゆりの後に「もしかしてUP-BEATがかかるのではっ!?」と期待して待った経験が何度も何度もあるが、一度としてかかったためしがない。「Rainy Valentine」、いい曲なのにねぇ。2月というのに雪じゃなくて雨を歌うセンスも、アスファルト泥だらけのクツあふれるインダストリアルな工業都市、北九州市(以下、北九=きたきゅう)のバンドっぽくて好きです。

北九州出身の英雄、もっと売れてもよかったのにバンド第1位!


北九は僕の祖父母が住んでいた町だから、今も半分地元のように感じている。UP-BEATは1981年に北九で結成された。1986年にメジャーデビュー。同じく北九出身のザ・ルースターズの全盛期に間に合わなかった僕は、ポストBOØWYが乱立するバンドブーム当時、UP-BEATをどこか英雄視して見ていた。TVに出たりすると嬉しかった、嬉しかった。

UP-BEATの魅力を並び立てるのはたやすい。絵に描いたようなロックバンド特有のデカダンな艶。なかでもヴォーカル広石武彦の女子ウケ必至の甘いマスクと、はにかんだダンディズム。そしてUK的憂いを帯びた美メロ&洗練された空間系ツインギター。さらにはホッピー神山と佐久間正英をプロデューサーに迎えたダメ押し的に順当で手堅い制作陣!

―― これで売れない方がおかしい気がするが、おそらく周囲が期待したほどには、UP-BEATは日本ロック史にその名を刻めはしなかった。1995年解散。僕は今こう書いてるうちにも “もっと売れてもよかったのにバンド” 第1位に認定したくなる。二冠達成だ。

80年代ビートロック!今も語り継がれうる豊穣な恵み


ボルト・ナットの仕組みで、ポストBOØWYのレッテルを貼られたのが仇(あだ)になったのかなぁ? 時代が求める以上にカッコ良すぎてしまったのですかねぇ?

でも、今はこう理解したい。一つの巨大な恒星のもとにいくつもの小惑星が引き寄せられた結果、魅力ある天体図が出来上がる。それと同じように、大小さまざまな仇花バンドが存在したからこそ、80年代ビートロックは今も語り継がれうる豊穣な恵みを得られたのだと。

2010年代に入ってから、広石武彦はいっそう堂々とUP-BEATの曲をステージで歌い始めた。その姿は少なくとも懐メロ以上の感慨を持って僕の胸を打つ。

北九の灰色の風から生まれた名曲ばかりだ。ポストBOØWY? 上等やろ。


※2018年2月27日、2020年2月21日に掲載された記事をアップデート

UP-BEATが切り拓いたジャパニーズロックシーンの礎

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2022.05.06
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カタリベ
1974年生まれ
吉井 草千里
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