7月3日

80年代洋楽ヒット代表、TOTO「ロザーナ」の1位を阻んだのは誰?

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TOTOのシングル「ロザーナ」がビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
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共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.22
Rosanna / TOTO

フォリナーと並ぶ産業ロックの双璧、TOTO


80年代のヒットチャートシーンにおいて、いわゆる “産業ロック” の席巻は、いくつかある印象的な80年代ムーヴメントの一角を担っていた。

70年代から活動するベテラングループ、例えばスティックス、ジャーニー、カンサス、サヴァイヴァー、ハート、REOスピードワゴン、Jガイルズ・バンド、果てはスターシップ(60年代から活動していたジェファーソン・エアプレイン~ジャファーソン・スターシップが母体!)等々がその中心的存在だったが、ある意味スーパーグループ的な立ち位置にいたフォリナーとTOTOは、産業ロックアーティストの双璧といえる存在であった。

好事家も唸るバカテク集団、腕利きミュージシャンたちのスーパーグループ


英米混合のフォリナーと比して、TOTOは米ウェストコーストの精鋭スタジオミュージシャンが集結した生粋のアメリカンバンド。鳴り物入りでデビューして以降、常にヒットチャートの上位に作品を送り込むのが使命かのようなポップロックバンドであり、同時に好事家を唸らすバカテク集団でもあった。

スティーヴ・ルカサー(ギター)、デヴィッド・ぺイチ(キーボード)、スティーヴ・ポーカロ(キーボード)、ジェフ・ポーカロ(ドラム)といった、70年代後半に多くのヒットソング(一連のボズ・スキャッグス作品は有名)に関与した腕利きミュージシャンたちによるスーパーグループ、TOTOは78年「ホールド・ザ・ライン」の大ヒットで華々しくデビューした。

70年代後半~80年代を通して多くのヒット曲を残しているTOTOだが、日本での共有感高い作品ならば、近未来を描いたラヴソング「99」、彼ら唯一の全米制覇曲「アフリカ」、そして80年代20番目に誕生したナンバー2ソング「ロザーナ」ということになるだろう。

全米1位を阻まれた「ロザーナ」、日本では「アフリカ」以上の共有感


とりわけ「ロザーナ」は、全米ナンバーワンとなった「アフリカ」以上に日本におけるヒット感は高く、当時80年代洋楽に馴れ親しんでいたほとんどの方々は、この曲が全米チャートを制覇したと思い込んでいたと思われる。そう、ある意味80年代洋楽ヒットを代表するような「ロザーナ」は最高位2位、全米ナンバーワンソングではなかったのだ。

ちなみに当時「ロザーナ」の1位を阻んだ作品はというと、英国の新進グループ、ヒューマン・リーグの世界的初ヒット「愛の残り火(Don’t You Want Me)」、及び映画『ロッキーⅢ』の主題歌、サヴァイヴァー「アイ・オブ・ザ・タイガー」の2曲。後の第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの本格的な狼煙となった楽曲、かたや加速するサントラブームに乗ったパワーロックを標榜する産業ロックバンドの楽曲… 83年以降の典型的ヒットチャートを凝縮したような、きわめて80年代的なヒット構図が垣間見られて実に面白い。

そして当時のソニーミュージック(TOTOはColumbiaレーベル)がメディア用に配った、「ロザーナ」のいわゆる販促物が、まさしくダジャレ以外の何物でもない “野沢菜” だったというのも、微笑ましい80年代的エピソードとして語り継がれている…。


Song Date
■ Hold The Line / TOTO(1979年 5位)
■ 99 / TOTO (1980年 26位)
■ Rosanna / TOTO(1982年7月5週 2位)
■ Africa / TOTO(1983年 1位)

■ Don’t You Want Me / The Human League(1982年 1位)
■ Eye Of The Tiger / Survivor(1982年 1位)


※ KARL南澤の連載「共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味」
ジャンル、洋邦、老若男女を問わないヒットソングにある ‟共有感”。米ビルボードのチャートがほぼそのまま日本における洋楽ヒットだった80年代。ナンバーワンヒットにも負けず劣らずの魅力と共有感が満載の時代に生まれたビルボードHOT100 2位ソングを紐解く大好評連載。

■ ホワイトスネイクが気を吐いた!全米チャートでヒットした2曲のロッカバラッド
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■ プリンス feat. シーナ・イーストン、典型的ミネアポリス・ファンクが炸裂!
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※2017年4月12日に掲載された記事をアップデート


2020.07.03
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カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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