1980年代前半、数多の欧米のミュージシャンが日本のテレビCMに上陸を果たした―― サントリーウイスキーのCMではデュラン・デュランが西洋人形と踊りながら「プリーズ・テル・ミー・ナウ(Is There Something I Should Know)」や「ザ・リフレックス」を歌い、マクセルカセットテープUDシリーズにはワム! が登場した。 そんな洋楽全盛のCMソングに交じって、よく耳にしていたのがポーラ化粧品のCMソング、サンディー&ザ・サンセッツの「だって夏よっ」だ。 同曲は日本の曲だったが、洋楽っぽい洗練されたニューウェイヴサウンドがとても印象的。浮遊するように乗せられた日本語とは思えない色っぽいヴォーカルも洒落ていて、バブル前夜のウキウキとした高揚感が伝わってくる。CMのコピーは『夏恋方程式:夏―水―紫外線=サザンコール… だって、夏よ。』 サンディー&ザ・サンセッツは、日本のバンドだったけれど、他の日本のミュージシャンとは違い、当時としては珍しく海外の活動が目立っていた。『スネークマンショー』に収録され、サンディーが歌った「ジミー・マック」やオーストラリアでヒットした「スティッキー・ミュージック」のように歌詞が英語で歌われている曲が多かったし、米英チャートの楽曲と混じっても全く遜色がなかったので、こいつは凄いと、当時はカセットテープが擦り切れるほど毎日のように聴いたものだ。 そしてこの頃、僕はヴォーカルのサンディーがたまらなく好きだった。彼女はスペイン系ハーフらしいのだが、その妖しさというか… デヴィッド・ボウイ、デュラン・デュラン、ヒューマン・リーグ、カルチャー・クラブのような独特の艶と雰囲気があった。 「BATTERY」のプロモーションビデオではニューロマっぽさ全開のヴィジュアル。ダンスにこっそり忍者が印を切るポーズのほか、正拳突きや蹴りなどの空手アクションなんかも入っていてメチャクチャカッコイイ。そう、サンディーのすべてに悩殺されていましたネ。 その後、ソロとなったサンディーは10代を過ごしたハワイの音楽へと回帰。なんだか久しぶりにまた彼女の美しい声が聴きたくなった。 だって、(もうすぐ)夏よっ!Song Data ■だって夏よっ Babes In The Woods / サンディー&ザ・サンセッツ ■作詞:サンディー(補作詞:Jonah Pashby) ■作曲:久保田麻琴 ■発売:1985年5月22日 ※2016年4月1日に掲載された記事をアップデート
2018.05.22
VIDEO
YouTube / goodies.cmch
VIDEO
YouTube / Lawrence Richardson
VIDEO
YouTube / Lawrence Richardson
Information