6月18日

世界的大ヒットへの絶妙な布石、カルチャー・クラブのナンバー2ソング

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カルチャー・クラブのシングル「タイム」がビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
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カルチャー・クラブにとって世界的初ヒットとなった「君は完璧さ(Do You Really Want To Hurt Me)」に続いて、勢いづく形でやはり大ヒットとなったのが、80年代27番目に誕生したナンバー2ソング「タイム」(83年6月2週2位)だ。

カルチャー・クラブとほぼ同時期に世界的ブレイクを果たしたデュラン・デュランとは、特に83~84年の2年間はお互い鎬を削るようにヒットを連発して、第2次ブリティッシュインベイジョンをけん引する2大スターとして君臨していた。

83年前半でいえば、デュラン・デュランが「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」「リオ」「プリーズ・テル・ミー・ナウ(Is There Something I Should Know)」といった派手でアップテンポなエレクトリックポップ攻勢で打って出ていたのに対し、カルチャー・クラブは「君は完璧さ」「タイム」といったじっくり聴かせるタイプのミディアム調ポップで勝負に出ている。

もちろんこの2曲は連続大ヒットを記録して、それは見事に功を奏したわけで、キワモノ・イロモノ感だけじゃないんだよ、という刷り込みにもなっていたようだ。

カルチャー・クラブが最初っから「カーマは気まぐれ」だったら、ただの一発ヒット屋に終わってしまっていたのかもしれない。

とにかく83~84年のカルチャー・クラブは、デュラン・デュランを凌ぐ勢い、イギリス勢の中では最も瞬発的人気が高かった。

「君は完璧さ」「タイム」「アイル・タンブル・フォー・ヤ」「チャーチ・オブ・ザ・ポイズン・マインド」「カーマは気まぐれ」「ミス・ミー・ブラインド」と、初チャートインから怒涛の6曲連続トップ10入りは、なかなかできそうでできない快挙だし、デビューからいきなり世界的人気を獲得していたということだ。

もちろんカルチャー・クラブの最大ヒットにして、世界レベルでの共有感が最も高い曲は「カーマは気まぐれ」である。これは、ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」やアーハ(a-ha)の「テイク・オン・ミー」に勝るとも劣らぬ80年代洋楽を代表する作品のひとつとして挙げることができるだろう。

しかし「カーマは気まぐれ」が現在まで語り継がれる作品となりえたのは、初期段階において音楽的クオリティの高さをしっかりと刷り込ませた「君は完璧さ」「タイム」の2曲のナンバー2ソングが絶妙な布石となっていたからに他ならない。

カルチャー・クラブの人気隆盛期は主に83~84年のおよそ2年間と、意外に短かったが、ワム!(ジョージ・マイケル)というもうひとつの第2次ブリティッシュ・インベイジョンの象徴的存在の世界的ブレイクとほぼ入れ替わりだったのいうのが、なんとも皮肉な話ではないだろうか。


脚注:
■ Do You Really Want To Hurt Me
(83年2位)
■ Time(Clock Of The Heart)
(83年2位)
■ I’ll Tumble 4 Ya
(83年9位)
■ Church Of The Poison Mind
(83年10位)
■ Karma Chameleon
(84年1位)
■ Miss Me Blind
(84年5位)

2017.06.14
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