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Kaja な気分は 今 Goo Goo!平成生まれの女性 DJ からみたアナログレコードの魅力

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平成生まれから見たアナログレコードの魅力とは?


人生で最初に買ったCDはイタい青春時代の思い出と相まって忘れることはないものの、じゃあ人生最初に買ったレコードは何かと考えると、これが一向に思い出せない。おそらく自分が80年代にハマるきっかけとなったデュラン・デュラン辺りなのだとは思うが、音楽は当時の出来事とセットで脳内にメモライズされるものなので、やはり新鮮な体験に満ちた思春期に買ったものかどうかはとても重要なのだと思う。

本日、文化の日は “文化財” レコードの日。というわけで、平成生まれから見たアナログレコードの魅力とは何ぞや、と思いを巡らせているのだが、レコードの時代に生きていない我々にとっては、わざわざ手間をかけて探し、ターンテーブルまで買って聴く流れまで含めて、贅沢な “通ぶった嗜好品” という入り口であったことは否めない。

オタク的五感を刺激してくれるトータルの価値があるのがレコードDJの醍醐味


では、何故私がレコードを集めるようになったかというと、単にレコードでDJをしたかったからだった。正直いくら「レコードは音が良い」とか言ったって、デジタルの音質にかなうわけ無いよなぁとは今でも思っている。

しかし、テクノなどのダンスセットでなく歌モノだったり、普段私がプレイする70~80年代のニューウェイヴなどは特にそうなのだが、当時にリリースされた盤に込められた空気感、経年状態、ハコでもお客さんがジャケットを見て触って楽しめる、まさにオタク的五感を刺激してくれるトータルの価値があるのがレコードDJの醍醐味なのだ。

これはきっと当時からレコードプレイにこだわっている先輩DJたちとは異なる感覚なのかもしれない。というか、後追いにとってそれは、やっぱり憧れだったものだ。現場で盤をクルクル回しながら頭出し(次にプレイする曲の先頭部分を合わせること)する仕草なんか、3割増しでデキるDJに映ったりする。本当は全然関係ないけど。

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“平成生まれ感覚” を最も刺激される国内盤の素晴らしさ


とはいえ個人的なレコードへのこだわりはそんな実用的側面だけじゃない。私が “平成生まれ感覚” を最も刺激されるのが、国内盤の素晴らしさだ。どの国の盤を差し置いても、日本盤のライナーノーツや帯のキャッチコピーが醸し出す “自由過ぎる昭和臭” ほどロマンを感じるものはない。そもそも海外ではLPに帯をつける習慣すらなかったために、現在では国内盤帯コレクターが海外でも増殖しているほどだ。

しかし彼らが、リリース当時の日本のレコード会社が遊び心と勢いでつけたコピーの日本語のセンスを理解することができたら、きっと愛おしさが倍増するだろう。そこには濃縮還元された古き良き時代のロマンがある。そもそも自分が生まれていない時代なので、「昔はいいよね」なんて言いたくはないが、しかし間違いなく平成の時代ではどんどん削がれていってしまった、表現の自由と遊び心。仕事と趣味の境界線があいまいな時代。ちなみに、私が最初に心を鷲掴みにされた国内盤キャッチフレーズは、カジャグーグーの『君はTOO SHY』。

そこに書かれていたのは、「Kaja な気分は 今 Goo Goo」。意味なんて分からなくていい。この、やっちまったノリの軽さに、けっこうなカルチャーショックを受けたものである。

自由なノリとセンスこそ、時代を問わず必要とされる、ある種の芸術性


話はそれるが、ある有名なエピソードがある。ジャン=リュック・ゴダールの名作『勝手にしやがれ』の邦題がつけられた経緯について。原題は “À bout de souffle” 、直訳すると「息が詰まる」となり、英語版のタイトルもそのまま “Breathless” 。しかしこれでは掴みに欠けると判断した日本の配給元が、会議室で何時間も案を出し合うもののどれもピンと来ない。

そこでしびれを切らしイラついた一人の社員が、「もう、勝手にしやがれ!」と叫んだ時に、重役が「それだ!そのヤケクソっぷりこそ正にこの映画だ!」といって採用したのだとか。こんな話、今のお堅い配給やレコード会社じゃ有り得ないよなあと思ったものだ。こんな自由なノリとセンスこそ、アーティストを宣伝する側にも時代を問わず必要とされる、ある種の芸術性じゃないだろうか。



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2023.11.03
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カタリベ
1990年生まれ
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