女子は、えてしてグループ内でのご贔屓を作りたがるもので、カジャグーグーだったら、誰が好き? という会話は彼らの人気が出始めた頃にクラスメイトの中で交わされた話題だった。 当時、流行っていたのは「君はTOO SHY」で、メンバーの中でもリマールが一番人気、その後をニック・ベッグスが追っていた。リマールの甘い声も素敵だったけれど、私は断然ニック派。タンポポの綿毛のようなヘアスタイルはもちろん、笑った時の歯茎の感じや鼻ピアスも日本人離れしていて格好良いルックスに見えたものだった。 一瞬、女子中学生にありがちな、リマールと二人三脚をするという夢を見てリマールに心が傾きかけたこともあったが、その直後カジャグーグーは解散。ニックごめん、ちょっとリマールに心が傾いた私にも責任が… なんて思ったところで、今度はなんとニックをヴォーカルに据えての新カジャグーグー! ワーオだ。 新しいアルバム『アイランズ』は今までとはガラッと曲調を変えて、アイドル脱却を目指したような内容になっており「君はTOO SHY」のような甘い感じも悪くはなかったけれど、彼らの自分たちの目指したい音楽が全面に出ていて私は好きだった。 Hey fool, watch out (watch out!) You'll get mauled by the lion's mouth (I don’t think so) Hey fool, watch out (watch out!) You'll get mauled by the lion's mouth Oooh! シングルカットもされた「ライオンズ・マウス」、サビの合いの手の部分 “I don’t think so” は一緒に歌わずにいられないキャッチーさ。PVでは、大正琴を縦にしたような「スティック」という楽器を弾いて歌うニックの姿にも痺れさせられた。 前作よりもグッと硬派に寄ってきたこのアルバムは、これからの彼らを象徴しているようで、リマールが抜けても大丈夫ということを証明したね。と、大満足な私だったが、この後しばらくしてすぐ解散をしてしまい、ガーンとなる。 リマール派にはニックのせいで解散なんて言われたりもして、ムゥゥとなったり… ところが、最近カジャグーグーの話をしていた時に「ニックがヴォーカルだとは知らなかったけれど、アイランズに入ってるビッグ・アップルって曲は好きだった」って言ってくれた友がおり、これが、すごく嬉しかった。一発屋なんて言われてちょっと悔しかった私の気持ちが途端に救われてしまった。 2005年には一時的に再結成もしたし、ニックは今の自分のバンドで評価をされているしで、ミュージシャンである人生を楽しんでいる様子。 見かけはすっかりワイルドになったけれど、こんな変わり方も悪くないと思える変化具合… ニック派、結果として悪くなかった。むしろ良かったというところで、心に決着がつきホッとしたのでした。歌詞引用: ライオンズ・マウス / カジャグーグー
2018.02.07
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