2月1日

ここにいる数少ない女の子のために… モッズが奏でる「バラッドをお前に」

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ザ・モッズのシングル「バラッドをお前に」がリリースされた日
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80年代初頭、博多最後の大物と言われ、2019年メジャーデビュー38年目を迎える不退転のロッカー THE MODS(以下モッズ)。

彼らの歴史において、最初の転換点といえる出来事は、マクセルカセットの CM出演だ。この CM には、83年9月21日に発売されたシングル「激しい雨が」が使われ、当時のモッズのバンドカラーが鮮明に映し出されている。その姿は、媚びることなく、世の中の流れに迎合することなく、自分たちのやり方で、自分たちの音楽をお茶の間へ浸透させる力強さだった。

そして、もう一曲、彼らの歴史を語る上で外すことのできないナンバーが「バラッドをお前に」だ。この曲は、「激しい雨が」と同じく、4枚目のオリジナルアルバム『HANDS UP』に収録され、モッズ5枚目のシングルとして84年2月1日にリリースされ、坂上忍主演の TBS系ドラマ『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』の主題歌にもなっている。

当時のモッズの活動を思い出してみると、この年に全国を周った『GANG TOUR』を総括するスペシャルライブを83年12月17日、後楽園球場に作られた特設テントで行っている。前売りチケットには付録として、メンバーそれぞれからのファンへのメッセージとロカビリーフレーバーのナンバー「ブルースに溢れて」(『HANDS UP』に収録)が収録されたマクセルのカセットが付いていた。

こうしてモッズの音楽が世間に浸透してきた頃を思い返してみると、デビュー当時、彼らが自分たちでレコード会社を選び、マネージメントを行い、自分たちの音楽を浸透させるために、沈着冷静に周囲を見極め地道な活動を行ってきたことにやっと時代が追いついたという印象だった。

この少し前、モッズは土屋昌巳プロデュースのサードアルバム『LOOK OUT』により、スカ、ロカビリー、ファンクなど、様々な音楽を下地にした言うならばクラッシュの『ロンドン・コーリング』にも匹敵する音楽性を開花させていた――

ここから彼らは自身のロックンロールをより深化させ、アメリカンニューシネマやレイモンド・チャンドラーといったハードボイルド小説の世界観を醸し出すなど、次のアルバムで独自の美学を集約させる。それが、ウエスタン調のナンバー「KID WAS…」から始まる『HANDS UP』であった。そして、この硬派なアルバムのB面ラストを飾っているのが「バラッドをお前に」だ。


 時間はまるで ダイヤモンドの光さ
 淋しさの中じゃ 俺も弱くなる

 お願いだ Baby
 そばにいて笑って
 その顔を見たくて 俺はボロボロになる


「俺はボロボロになる…」このワンフレーズが、当時多くのモッズファンの心に深く突き刺さった。

モッズは常に、僕らファンの先陣を切って新たな音楽の価値観を見せつけてくれた。それは、ロンドン直系のファッション、楽曲から垣間見られるルーツミュージックへの愛情、リーダー森山の歌詞が自身を映し出す鏡であること…。そんな兄貴的存在であったバンドが、切なくなるような弱さを吐き出したのだ。

―― ここで、モッズと僕らファンとの距離がぐっと近くなった。

デビュー当時のモッズファンは本当にガラが悪く、アンコールも「モリヤマ~出てこい!」だった。しかし、今は誰もそんな言い方はしない。こんな風になったのは、「バラッドをお前に」以降だと思う。

これは、バンドが大きくなりファンとの距離が遠くなったからだと考える人もいるかもしれないが、実はそうじゃない。むしろ、森山自身の弱さを見せつけてくれたことで、モッズの楽曲は、ファンひとりひとりの中で物語性を帯び、僕たちとバンドの関係性は成熟していったのだ。

80年代前半、モッズの客層は、圧倒的に男が多かった。だから森山は、「バラッドをお前に」を演奏する前、「ここにいる数少ない女の子のために」という言葉を添えていた。そんな優しさもモッズの一面となり、今では観客の半数近くが女性というライブもある。

あの頃、「バラッドをお前に」を聴いて涙を流していた十代の少女たちは、時を重ね人生の節目節目に聴いてきたナンバーを自分たちの個人的な物語として心の中に育み続ける。

そして、今でもあの頃のように、ステージを見つめるまっすぐな瞳を潤ませている。


※2018年2月1日に掲載された記事をアップデート

2019.02.01
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1968年生まれ
本田 隆
確かに嫌なやつでしたね。それとは真逆の菅原文太の温かさがすごく良かったです。
2018/02/02 12:51
0
返信
1966年生まれ
太田秀樹(ohtachan)
このドラマで教師役を演じていた長塚京三さんが、ほんとに嫌な感じでねえ、リアルに嫌いになりましたよ。すごい役者さんです。
2018/02/01 21:04
2
返信
カタリベ
1968年生まれ
本田隆
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