2016年の訪日外国人数が2,400万人を越えたと発表されていた。
今年は1月28日が旧正月にあたり、中国では春節の休みに入る。ここ数年は日本に観光旅行に来るついでに年越しの買い出しが行われ、いわゆる「爆買い」が続いていた。最近この「爆買い」は沈静化してきているようだが、中国人観光客の数は増えているそうだ。今年も多くの中国人観光客が訪れることだろう。
ところで、この現象は30年前の日本人観光客に似ていると様々なメディアに書かれている。
当時バブル期に入り始めた日本は、通称「農協ツアー」に代表されるヨーロッパ「爆買い」ツアーを敢行していたのであった。着飾ったオバ様が、ルイ・ヴィトンのバックを買い漁り、フランス料理店では「はしを持ってこい」と怒鳴っている田舎親父が跋扈していたのである。
そんな記事を見ていて思い出したのが、高見知佳の『くちびるヌード』である。
1984年のバブル期前夜、ちょっとエスニックなメロディーに乗せたこの曲は、資生堂のCMに起用され一世を風靡した。作詞作曲はEPOと聞けば「なるほど」と思わせるような軽快なメロディーとちょっと隠微な歌詞である。
何故この曲を思い出したかと言うと、歌詞の中に「Voulez vous cou 謝謝 avex moi ce soir」というフランス語と中国語を合わせた一節があるからだ。
「今夜一緒に寝ませんか」という意味から、当時NHKでは歌えなかったらしい。歌詞全体と中華的なメロディーを合わせて考えると、私には「上海フランス租界」をモチーフにしているのではないかと思えてしまう。
異国(フランス)の男性に恋をした上海の娘が、男を心待ちにしている。それが客なのか恋人なのかは不明であるが、春になると彼は港からやって来る。秩序を忘れた猥らな客には、上海娘の美貌のかけらに甘いトゲが光るらしい。
そんなちょっと勝ち気だが惚れた男には弱い上海娘と、小柄で華奢な体つきだがバラドルの走りと言われている物怖じしない高見知佳のキャラが私にはピッタリの配役のような気がしてならないのだった。
この「勝ち気な女が、俺だけには弱い」というシチュエーションが男にはたまらないのである。
そう言えば同時期に流行っていたマンガで『気まぐれオレンジロード』の主人公「鮎川まどか」もこのパターンだったな。
恐らく訪日外国人が2,400万人を越えた報道を見て、高見知佳と鮎川まどかを思い出すのは私ぐらいだろう。エヘン!
2017.01.24
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