5月11日

初夏の夜風と「明日に架ける橋」後楽園球場のサイモン&ガーファンクル初来日公演!

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サイモン&ガーファンクルの来日初公演が後楽園球場で行われた日(2日目)
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photo:eil.com  

1982年5月、サイモン&ガーファンクル後楽園球場で初来日公演


2017年4月末のポール・マッカートニーの日本公演で、僕は当時小1になった長男をコンサートデビューさせた。長女と次女もコンサートデビューはポールだった。我ながら徹底している(笑)。

ではその僕のコンサートデビューはというと、洋楽では今から40年前の1982年(昭和57年)5月11日(水)、後楽園球場でのサイモン&ガーファンクルのコンサートだったのである。

1981年9月19日にニューヨークのセントラルパークでデュオとして11年振りに本格的なコンサートを行い50万人を集めたサイモン&ガーファンクル(以下S&Gと略)は、翌1982年から83年にかけてワールドツアーに出た。そのオープニングが日本公演。会場は大阪球場(2公演)と後楽園球場(3公演)。S&Gにとっては何とこれが初めての日本公演だった。

ジョン・レノンが亡くなった後ビートルズに本格的に目覚めた僕が次に魅かれた洋楽がS&Gだった。ビートルズ同様、耳にしたことのある曲がゴロゴロ。

1982年2月にはセントラルパークでのライヴ盤『セントラルパーク・コンサート』が(ベスト盤を除く)12年振りのアルバムとして発表され、レコードレンタルした僕はカセットテープにダビングし、繰り返し夢中になって聴いた。その歴史的なライヴが日本で再現される。これは行くっきゃない、と高2の僕は迷わず洋楽コンサートデビューを決めたのである。

「明日に架ける橋」を独唱したアート・ガーファンクル


足を運んだのは後楽園3デイズの中日。同級生の友人♂と一緒に行ったのだが、5,000円のS席ではなく4,000円のA席を選んだ。結果、席は2階席 “ジャンボスタンド” の中程。確か緑の多かったステージは遥か遠くに見えた。

18時45分頃S&Gが登場したが、やはり豆粒の如し。ヘアスタイルと背の高さで何とか2人の区別が付いたのだった。セットリストは基本的にセントラルパークと同じだったが「コンドルは飛んで行く」等日本で初披露の曲も3曲あった。

そしてコンサート終盤17曲め、今は亡き名手リチャード・ティーが馴染みの無い旋律をピアノで弾き始める。暫くしてそれは聞き覚えのあるイントロへと変わり、場内から大きな歓声が上がった。「明日に架ける橋」だ!

最も好きなS&Gナンバーの登場に、僕も一瞬たりとも見逃すまいと目を凝らした。そして初めて気が付いた。この曲はアート・ガーファンクルが独りで歌い、作者ポール・サイモンはマイクの前にも立たず、楽器も持たぬことを。独唱するアートは一人である故に一層遠く小さく見えた。しかし僕は初夏の夜風の感触と共にこの光景を今も鮮明に記憶している。

終盤には名手スティーブ・ガッドのドラムも加わりアートがハイトーンで絶唱、大団円を迎えた。名曲をオリジナルと同じ歌手が歌うのを生で観る感動、快感を僕はこの時初めて知ったのだった。そしてそれは40年経った今でも止むことが無い。

小沢健二でも有名、ポール・サイモン「追憶の夜」がダブルアンコール


コンサートは、そのアレンジが小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」の間奏でオマージュされたポール・サイモンのソロ曲「追憶の夜(Late in the Evening)」がダブルアンコールでこの夜再度歌われ幕を閉じた。

2階席なのに周りでは立ち上がり踊る親父が続出。高2の僕にとってはこれが洋楽ロックコンサートのノリ初体験でもあった。そしてこの時立てずに踊れなかった10代の僕は、今では若者に煙たがられながら踊る50代のロック親父になってしまっている。

さて、こちらはいつまで続くのやら。


※2017年5月12日、2020年5月11日に掲載された記事をアップデート

▶ 初来日公演に関連するコラム一覧はこちら!



2022.05.11
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カタリベ
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