AORファンも要チェック、グラミーの常連♪マンハッタン・トランスファー

既存のジャズの楽曲に歌詞を乗せ歌うヴォーカリーズで名を馳せ活躍したマンハッタン・トランスファー。

アカペラは当然のようにメチャメチャ上手いし、ジャズのみならずポップスも見事なハーモニーでカヴァー。魅せるパフォーマンスも大変素晴らしいスーパーヴォーカルグループの彼らですが、さらに見逃せないポイントがあります。

それは大ヒット作でもありグラミー賞も受賞したアルバム『エクステンションズ』（79年）と『モダン・パラダイス（Mecca For Moderns）』（81年）のプロデュースを担当したのがジェイ・グレイドンなのです。ということはAORファンは要チェックです。

まずは「バードランド」の名演も収録された『エクステンションズ』。こちらにはジェイ・グレイドンとデヴィッド・フォスターによるエアプレイの唯一のアルバムでAOR名盤として名高いアルバム『ロマンティック（Airplay）』からのシングル「貴方には何も出来ない（Nothin' You Can Do About It）」が収録されてます。勿論ジェイ・グレイドンもデヴィッド・フォスターも参加！ マンハッタン・トランスファーがジャズファン以外にも認知されたヒット曲「トワイライト・ゾーン」にはスティーヴ・ルカサーとジェフ・ポーカロが参加。他の楽曲でもジェイ・グレイドンのギターとサウンドアレンジが冴えわたってます。

続く「モダン・パラダイス」。こちらにはビル・チャンプリン、デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドン、そしてメンバーのアラン・ポールが共作した「スマイル・アゲイン」が必聴。作家陣からもわかるように前述のエアプレイの名曲「アフター・ザ・ラブ・イズ・ゴーン」（アース・ウィンド＆ファイアーでもお馴染み）を髣髴とさせる名バラードです。

「ジェームズ・ボンドのテーマ」のフレーズが散りばめられている「スパイズ・イン・ザ・ナイト」でもエアプレイのような洗練されたアレンジにニヤリとさせられます。どちらの曲もデヴィッド・フォスター、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・ガッド（！）がバックを固めてます。

これだけ完璧なサウンド面の布陣に最強の混声ヴォーカル。ジャズの名曲カヴァーに加えて最強作家陣による書き下ろし。この後もグラミー賞の常連になっていくわけですが、ここがきっかけになったというのも頷けます。

1940年代の音楽やアカペラだけのアルバム、クラシック・オーケストラとの共演、ブラジル音楽にも挑戦してきた彼ら。とにかくどんな音楽にも相性のいいマンハッタン・トランスファーに感服です。

メタルとかEDMとかでも対応可能かな？ いやできるでしょう。聴いてみたい！！

2017.10.31