Re:minderで80'sの音楽を振り返る機会をいただいてから、思い出した曲をその度にYouTubeで検索するのだが、5回に一度くらいは自分の激しい思い込みの末の勘違いを知って本当に驚いてしまう。
実はこの曲も、ずっと何十年もポール・マッカートニーが歌っていると思っていた。そして、負け惜しみではないが、今でもポールの声のコミカルなニュアンスにぴったりの曲だと思う。勘違いしていたのは、多分、ラジオでしか聴いたことがなかったからだろう。
にしても、ポールとは全く違う顔がパソコンの画面で歌い出した時は「やっちまったメーター」が振り切りすぎてスルー機能が発動しそうになった。「いやいや… これ、カバーでしょ?」と。しかも、80年代前半に聴いた記憶があるのに発売が1970年とは(私が生まれてすぐだ)。季節に関係する曲は比較的長く愛されやすいのかもしれない。
私は70年代後半から80年代前半までイギリスに住んでいたのだが、一般的に夏に海外旅行に出かける日本人家族とは違い、我が家は父が仕事場のイギリス人から収集した「定番&マニアック・イングランド」的な旅を繰り返した。
ロンドンから北へ南へ西へ。東はあまりなかったが、全国くまなく旅行したので、「アジア人を初めて見ました」という地元の人たちの視線も経験したが今ではそんなこともないのだろうか。当然島国だから東西南北くまなく海に囲まれているのだけれど、イギリスと海と聞いて思い浮かぶのは大航海時代。ビーチとビキニとはちょっと違う。
それもそう。イギリスには日本人が持っている海のイメージと重なるビーチはあまりない。海までえらく遠い浜や石ころがゴロゴロ転がっていてちょっとした足裏健康法になるようなペブルビーチや強風の断崖絶壁が多い。だから海で泳いだことは1度か、もしかしたらなかったかもしれない。サーフィンもできるらしいが、イメージから遠い。
マンゴ・ジェリーのイン・ザ・サマータイムにも陸の匂いがする。もみあげがあったって暑くないもんね(笑)。「あんまり暑くないけど今年も我が国に夏が来たね」と繰り返しオンエアされ、愛されていた曲なのかも? そして、負け惜しみではないが、コミカルな上に秋になっても冬になってもイケる一曲だと思いません?
2016.10.14
YouTube / Mungo Jerry
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