6月21日
モーレツア太郎、教祖様ブームを打つ 僕が選んだ筋肉少女帯!
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筋肉少女帯「モーレツア太郎」の収録されたアルバム『仏陀L』がリリースされた日
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photo:OKMusic  

僕はジャンルを問わず何でも聴くのですが,逆に苦手なのは何かと考えると,恐ろしく分かりやすい歌詞(気恥ずかしい),どっかにありそうなメロディ(既にあるものならいらないのでは?),あまりにもファンが多いアーティスト(同じ趣味の人がそんなにいなくてもいいかと)あたりかと.何も決めているわけではないんですが,どれかに当てはまると,アンテナに引っかからないようです.

ところで本サイトRe:minderでも取りあげられている尾崎豊の歌はといえば詩が無骨でストレート,音はシンプルなロック.その組み合わせがあまりに自然で,80年代の高校生以上なら誰でも聴いていました.それで高校中退が増えたとか,校舎の窓ガラスが軒並み割られたとか,そんなことはありませんでしたが,学歴社会の息苦しさに対して「自由になりたくないかい」(「Scrambling Rock'n' Roll」)と語りかけ,支配からの「卒業」を歌う尾崎さんに多くの人が共感を覚えたのは確かです.

同じ頃,僕は筋肉少女帯を選んでいました.当時は大槻さんが客席に語りかけて応答を楽しむという,小さい会場ならではのMCスタイルだったのですが,猫も杓子もラフィンノーズの時代に「げっと,げっと,げっとざぐろ〜りー」と連呼していました.けなすのでも妬むのでもなく,ちょっと拗ねた子供が憎まれ口を叩くような,斜に構えた感じです.そういえばメジャー・デビューアルバムの『仏陀L』のジャケットも,YMOのパロディのようですし.

そんな悪意のないちゃかすような姿勢がストレートに歌詞にでたのが「モーレツア太郎」でした.


モーレツア太郎
啓蒙してくれよ

狂えばカリスマか!?(脱いだら天才か)*
吠えれば天才か!?(ゲロ吐きゃ天才か)
死んだら神様か!?(狂えば仏か)
何もしなけりゃ生き仏か!?
*ライブでは時々,( )内のように歌詞を変えて歌うことがありました. 

そんなロックで
子供が踊るよ
モーレツア太郎
ひとつものを教えてあげて下さい


当時聴いた人なら,間違いなく尾崎さんを想い浮かべたことでしょう.この頃尾崎さんは,「教祖様」への重圧から一時停滞していました.高校,学歴といった制度への反抗から離れてしまえば,もう歌うテーマがなくなったなんて噂も流れていました.

そんな口さがない噂を裏付ける歌詞にも読めてしまうのですが,当時の筋少のスタイルを知っている人なら,尾崎さんに対する皮肉とは受け取らなかったでしょうし,「そんなロックで」踊り狂うファンの方をちゃかしているのです(もちろん筋少で踊るファンも含めて…).その数年後に,尾崎さんは亡くなります.葬儀には数万人が参列し,尾崎さんが全裸で座り込んでいた庭は巡礼地になりました.そういえば,忌野清志郎が亡くなった時にも,葬儀は大盛況でカリスマブームがおきました.

それにしても音楽の趣味とは難しいものです.「モーレツア太郎」で尾崎さんを想いだすと,僕は必ず「卒業」を取り出して,美しいピアノのメロディとその晴々とした歌い方に耳を傾け,思わず一緒に口ずさんでしまうのです.

2016.06.22
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  YouTube / OhshimaMikio


  YouTube / music-office
 

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