パティ・スミスは僕の人生のヒロイン、と公言しているにも関わらず、この6月(編集注:2016年)の来日を全く知らず、Re:minder の編集長に教えられ、慌ててチケットを取り、岡山から日帰りで東京へ。前回は、パティがかねてから訪れたいといっていた広島公演だったというのに祖母(100歳)が亡くなり、行こうが行くまいが泣く以外の選択肢が残されなかったので、待ちに待った(正直もう観れないと思ってた)来日。
アレン・ギンズバーグの詩をフィリップ・グラスの伴奏で朗読し、日本語訳を村上春樹らがした『THE POET SPEAKS』というセットは岡山くんだりから日帰りで観に行った甲斐が十二分にありました。ありがとう、Re:minder!
「音楽の政治利用」なんて議論を耳にすることがあります。先日は、フジロックにSEALDsの彼が出るということで、そんな批判があったそうです。ちょうどこの原稿を書いている今は参院選のまっただ中で、三宅洋平というミュージシャンの選挙フェスという活動でもそんな話があるらしい。
でもさ、ボブ・マーリーはステージで政敵同士を握手させたし、ビースティ・ボーイズはチベタンフリーダムコンサートを開いた。エディ・ヴェダーは、ブッシュのマスクをステージで掲げて公然と批判してたし、オアシスのノエルだってブレアを支持してた。ジョンは「イマジン」を、ヒロトは「未来は僕等の手の中」って歌ってくれた。ニール・ヤングだってディランだってU2だってレディオヘッドだって清志郎だってぜんぜんポリティカル。オアシスが、EU離脱しないなら再結成するよって言てったら、国民投票の結果は違ってたんじゃないかってマジ思う。
僕の人生のベストライブは、2002年のフジロック、フィールド・オブ・へヴンのパティ・スミス。あのときだってパティは、9.11を悲しみ、ヒロシマをアメリカ人として謝罪していた。
『THE POET SPEAKS』のラストは「People Have The Power」だった。
パティも三宅洋平も偉大なるポリティカル・アーティストたちもつまるところ、いいたいことはそういうことなんだと思う。音楽が政治的で何が悪い。GO!VOTE!
2016.07.08
YouTube / pattismithVEVO
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