マキタスポーツとスージー鈴木が MC を務める音楽番組『ザ・カセットテープ・ミュージック』(BS12 トゥエルビ)が、10月7日の放送からゴールデンに進出。放送尺も30分から1時間に拡大することになりました。
まずは、ゴールデンおめでとうございます! いくら BS だろうと、いくらテレビの極北だろうと、見やすい時間に編成されるのは喜ばしいこと。今やタイムシフトで見る人も多いでしょうけど、この番組に偶然出会っちゃう確率もグンと上がるわけですからね。
しかも、日曜の夜9時って! 僕もテレビの編成やってたから分かりますけど、ここ、セットインユースの高いけっこうな枠ですよ。なんたって「下町ロケット」とか「行列の出来る法律相談所」の真裏(笑)。まったくどれだけ期待されてるんだか!
こういう時って、みんな口を揃えるように「いやいや、あまり意識せず、同じようにやっていくだけです…」なーんて言うのがテレビ界の常套句。でもまあ、ド深夜からゴールデンに移るわけですからね。どうしたって意識しちゃうんですよ。会社からはスポンサーも求められるだろうし、もう少しわかりやすくした方がいいんじゃないかとか、テーマがマニアックすぎるんじゃないかとか… 演者もスタッフも営業も、ちょっとしたノイズが頭の中を「よぎる」んです。
それが積み重なって面白く無くなっていった番組、皆さんも沢山見てきたでしょう? 地上波ではないからそこまでキツくないと思いますが、なんだかんだでやっぱ大変なんですよ、ゴールデンの番組作り。健闘を祈ります! あ、だからこの番組もつまらなくなっちゃうかって? まあ、そればっかりは走ってみないと分かりませんけど… でもね、たぶん、きっと大丈夫。
なぜって、それは MC がマキタスポーツとスージー鈴木だから。フッと迷ってしまいそうな時でも2人でいれば大丈夫だぜ!みたいなコンビです。「方針は変えず、むしろ強化する」って断言してましたしね。僕が勝手に言ってますけど、このおっさん2人、根がパンクなんですよ。反社会的だとかアナーキストだとかそういうことじゃなくて、ひと言でいうなら「DIY精神」。自立したチンピラみたいなもんです。
それはさておき、2人の絶妙な距離感とコンビネーションも揺るぎないでしょう。以前、この番組の話を企画段階で聞いたとき、マキタさんが熱く語ってスージーさんが論理的に解説していくんだろうって思ったんですけど、観てるとけっこうその逆も多いんですよね。スージーさんが熱を持ってまくし立てる中、マキタさんが非常に「詩的な言葉」でストンと落とすシーン。これがもう極妙、そしてたまに感動。
先月、下北で行われた番組のトークイベントも瞬殺完売していたし、なんにしても、この快挙は我らリマインダーとしても嬉しい限り。必要以上に懐かしさを煽ったり、昭和歌謡といった言葉で乱暴に括るんじゃなく、「80年代の音楽が持つ普遍的な魅力」をちゃんと現代に伝えてくれる知的で面白い番組です。これを機に、ぜひ一度ご覧になってみては?
Program Data
2018年10月より、毎週日曜よる9時放送
■ 10月7日(日)
もっと声に出して読みたい歌詞特集
80年代名曲の歌詞に迫る!松任谷由実、忌野清志郎のあの王道の名曲から、ちょっと変わり種の曲まで、ぐっとくる歌詞を松尾英里子アナウンサーが読み上げ!おじさんたちも思わず涙?
■ 10月14日(日)
イントロがいい曲特集
田原俊彦、オフコース… イントロを聴くだけ気持ちがアガるあの名曲が次々に登場。コード進行や転調の効果にも注目し、その仕掛けをわかりやすく解説。大作曲家・筒美京平の才気にも迫る!
2018.10.06
Information