2018年 11月4日

1979年の名盤完全再現、ゴダイゴ「OUR DECADE」全曲ライブを観た!

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GODIEGO CONCERT 2018「平成という一つの時代の終わりに“OUR DECADE”」が開催された日
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photo:NIPPON COLUMBIA  

「もうすぐです。皆様、“OUR DECADE” ゴダイゴと1970年代への旅をお楽しみください。お乗り遅れのないように!」

ゴダイゴの Facebook 公式ページにこんな投稿が載ったのは10月の終わり。乗り遅れるわけにはいかない。40年近く全身全霊をかけて愛してきたアルバムの再現ライブを観ずには死ねない。ちょっと鼻息が荒くなった。

ゴダイゴ屈指の名盤『OUR DECADE』が発売されたのは79年6月25日。4月1日リリースの「ビューティフル・ネーム」が大ヒット中で、7月1日には「銀河鉄道999」のシングル発売を控えた、まさに忙殺の中から生まれた作品だ。リーダーのミッキー吉野は「平均年齢27歳、忙しく人気もあり、一番脂が乗っている時のアルバム」と、本作を振り返っている。

同アルバムのサブタイトルは「70年代 - 僕たちの時代」。コンセプチュアルかつ社会派で、高度経済成長に邁進した70年代を総括するというテーマのもと、全15曲が英語歌詞だった。

70年に開催された大阪万博のテーマ “人類の進歩と調和” を歌った「プログレス・アンド・ハーモニー」に始まり、“人民寺院” を初めて知って衝撃を受けた「パープル・ポイズン」など、当時小学6年生の私は、意味もよくわからないままアルバムを追いかけた。毎日ライナーノーツや歌詞とにらめっこし、特典ポスターを眺めながら、ステレオの前で歌いまくっていたのだった。


―― 2018年11月4日、私は中野サンプラザにいた。

コンサートのタイトルは「平成という一つの時代の終わりに “OUR DECADE”」。平成最後の年に、この30年がどういう時代だったのかの総括として、全曲を演奏するという。

「ロックバンドとしての本質とメディアで売れたゴダイゴの両方を楽しめる内容。平成後の時代に何を考えるかと、投げかけるコンサートにしたい」

―― というミッキー吉野のインタビューを読んで、さらに期待は膨れ上がった。

客層はほぼ同世代。男女比は半々くらいだろうか。いずれもゴダイゴ沼の精鋭に見える。物販の列に並んでトートバッグを購入し、席に着いた。いざ! 出発進行!

そして、私にとって、79年の晴海以来2018年度第2回目のコンサートが始まった。冒頭の「ア・ボーリング・デイ」のロケット発射の SE は、79年のタイムカプセルが開いた瞬間だったかもしれない。その演出のためか、アルバムの曲順が1曲違ってびっくりしたのだけど(他は元のとおりに進行した)。

『OUR DECADE』が目の前で演奏されている奇跡。それだけでテンションが上がる! テンポはほぼそのままに、休憩なしで一気に駆け抜けていく。まさかの疾走感がたまらない! MC でミッキー吉野曰く

「このアルバムを再現するにあたり、メンバーに出した注文は2点だけ。“気を確かに持って”、“なるべく元のピッチで再現” しろと」

ちょっと笑って聞いていたけど、現在は平均年齢約65歳のバンドである。すごいことだと思う。

コーラス隊を従えた「ショック、ショック、ショック!」も、79年度『24時間テレビ〜愛は地球を救う』のテーマだった名曲中の名曲「トライ・トゥ・ウェイク・アップ・トゥ・ア・モーニング」も、私の推し曲「ライティング・マン」も、ノリノリで再現されたシングル曲「はるかな旅へ」も、全部歌った。全部歌い切った! 胸アツで最高に幸せな瞬間!

その後は第2部的な内容で、同じく79年発表曲から、「テイキング・オフ!」の日本語バージョンや「ホーリー&ブライト」。タケとトミー・スナイダーのソロの他、おなじみのヒットチューンにサプライズナンバー、アンコールの「銀河鉄道999」(原曲アレンジそのまま!)まで全力疾走だった。

タケがこんな MC をしていたっけ。

「“OUR DECADE” 最後のミックス作業であたふたしていた時にいきなり僕だけ帰宅して、メンバーが驚愕したことがあった。実はその日中に 999 を作曲しなくてはならず、翌日はもうスタジオで 999 を録っていた。」

いい話だなあ。


小学6年生の私には好きな人がいて、でも仲は良くなかった。彼はクイーンやキッスといった洋楽ファンで、ことあるごとに私の好きなゴダイゴの悪口を言った。

「ゴダイゴなんて、何かテーマがなければ曲作れないじゃんかよ!」

当然大ゲンカとなったのだけど、思えばその意見は案外、的を得ていて、ゴダイゴはずっとそうしたコンセプトワークを中心として活動に価値を見出してきたのかもしれない。

元気ですか、佐藤君。
私は未だにゴダイゴが好きで、ゴダイゴ号に乗っているよ。
昭和や平成が終わっても、この先もあの世でもきっと。

2018.11.26
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1970年生まれ
ジャン・タリメー
「小6」でクイーンとキッスとゴダイゴの比較します〜???(笑)筋金入りだ.それにしても,このコンサートにいなかったことを後悔するような名文.悔しいです.
2018/11/26 21:50
1
返信
1968年生まれ
親王塚 リカ
ありがとうございます。このライブを観れたことは一生の思い出です〜!客層も筋金入りから、親子連れまでさまざまでしたよ。
2018/11/27 11:29
1
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
チュクチューン!チュクチューン! チャラッ、チャチャラ~♪ 
「ザ・マリン・エクスプレス」は24時間テレビの手塚アニメ主題歌でしたね。買ったな~シングル。
2018/11/26 18:30
1
返信
1968年生まれ
親王塚 リカ
そうですよね!番組テーマ曲がゴダイゴで、手塚アニメのテーマがトミーでした!見ていた自分を思い出します。実はアニメの内容はうろ覚えなのですが(汗
2018/11/27 11:27
0
1968年生まれ
親王塚 リカ
セットリスト置いておきます。
(完璧ではありませんが…ご了承ください!)

2018/11/4@中野サンプラザ
〜平成という一つの時代の終わりに”OUR DECADE”〜

1.ア・ボーリング・デイ
2.プログレス・アンド・ハーモニー
3.イージー・ライダー
4.ショック,ショック,ショック!
5.トライ・トゥ・ウェイク・アップ・トゥ・ア・モーニング
6.クロスアップ
7.ディープ・レッド
8.パープル・ポイズン
9.ライティング・マン
MC
10.イミテーション
11.ザ・サン・イズ・セッティング・オン・ザ・ウェスト
12.ザ・ドラゴンズ・カム・アライヴ
13.はるかな旅へ
14.プロミス・アット・ドーン

MC
15.ザ・マリン・エクスプレス
16.ハピネス
MC
17.テイキング・オフ!
18.ビューティフル・ネーム
MC
19.ホーリー&ブライト
20.ガンダーラ
21.モンキー・マジック
(アンコール)
22.サイツ&サウンズ
23.銀河鉄道999
2018/11/26 09:39
5
返信
カタリベ
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親王塚 リカ
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