8月25日
シャレはどこへ消えた? 笑いはいつだっておおらかなコミュニケーション
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伊武雅刀のシングル「子供達を責めないで」がリリースされた日
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僕らの傍らにはいつも笑いがあった。

土曜の夜には『8時だヨ!全員集合』か『オレたちひょうきん族』。タケちゃんマンがコマネチを連発し、「アミダばばあの唄」を口ずさんだ。

ドリフはダメ、ひょうきん族は見せるな。

なんて、大人がわめいていたけれど、いけないとか、ちょっとだけなんて禁止がかえって子供心をくすぐる。

小学生だった僕にYMOはちょっとだけ早く、「ライディーン」はかっこいいけどピンとこない。でも給食の時間に校内放送で流れてきた「猫に今晩は」とか「寝る子は起きる」なんていう三宅裕司のギャグ(YMOのアルバム『サーヴィス』収録)には思わず牛乳を吹きだした。

淡々とした落語風の口調とばかばかしいダジャレが最高。今想えば、ひょうきん族もスネークマンショーもピテカンも、みんなどこかでつながっていた。

中高生くらいの男の子なんて、寝ても覚めても “したいしたい” なんてことしか考えない。エロネタ、おやじギャグ、しつこいくらいの反復ネタなら何でも来い。新しいか古いかなんて関係ない。

「金もいらなきゃ、女もいらぬ。あたしゃ、も少し背が欲しい」(玉川カルテットの古いネタ)なんて節は誰でも口にしたし、「あゝやんなっちゃった」(牧伸二の70年代のネタ)は、だいの大人が小さなウクレレ抱えて唄うのがおかしく、来る日も来る日も替え歌をつくった。

よし、行くぞーなんておっさんの「テレビもねぇ、ラジオもねぇ」なんて「おかしな」言葉とリズムがつぼにはまり(吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」)、友だちが聴かせてくれたつぼイノリオの「金太の大冒険」は自分のアレを抑えながら笑い転げた。

洋楽を聴き始めたのがちょうどこの頃で、カルチャー・クラブやカジャ・グーグー、デュラン・デュランの傍ら、ヴァン・ヘイレンやマイケル・ジャクソンがかっこよくて、よくディヴィッド・リー・ロスのまねをして180°開脚で跳ねたり(できなかったけど)、「ビネ〜ビネ〜(beat it, beat it)」と歌いながら、腕をフリフリ廊下を歩いた。

すると、すかさずウィアード・アル・ヤンコビックなんて人が「今夜もEAT IT」や「ライク・ア・サージン(Like a Surgeon)」を出したもんだから、本家本元の「今夜はビート・イット」、「ライク・ア・ヴァ―ジン」のビデオと見比べて、あそこが違うとかあそこでギターが爆発するとか、パロディなんてわからなくても、とにかく笑いには敏感に反応した。

「子供達を責めないで」で伊武雅刀がテレビに出てきたときには、真顔でブツブツ呟き、まくしたて、演説がだんだんヒートアップして、最後には汗だくで叫んだりするもんだから、詞の内容はそっちのけで大ウケした。

歌詞にある「はっきりいってわたしはゼッペキです」も何が面白かったのか。たぶん、語呂が良かったせいだろう。それで友だちにつけたあだ名は「ぜっぺきけんちゃん」。なぜそんなネタであんなに笑えたんだろう。

ちょいエロで、軽薄。あけすけで、おおらか。

落語のマクラに出てくる「おっ、屁が歩いて行かぁ」みたいに、えらそうだったりカッコつけてる人をちくりと刺し、少〜しだけはずかしめて、カラッと笑いのめす。そこには炎上もないし、匿名の正義感や非難なんて、これっぽちもない。

確かに軽くて浅はかだったかもしれない。
それでも、笑いはおおらかなコミュニケーションの一つだった。

2017.08.15
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  YouTube / dandis joe
 

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1970年生まれ
ジャン・タリメー
そうなんですよね,ついぞ・・・自己満足.ないところに責任感を造り出して自己を振り立たせて・・・.そんな自己中な自尊心(虚栄心)は尊いけれど,他から見ると滑稽かもしれず,離れて眺めるのも大事かと.
2017/08/18 08:55
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返信
1966年生まれ
太田秀樹(ohtachan)
いつも笑ってないとね。ついぞしかめっ面したり、なんとなく自分が背負ってる感じを出してしまうときもあるけれど、そんなのは自己満足でしかないし、あーくだらない。
2017/08/15 23:08
1
返信
カタリベ
1970年生まれ
ジャン・タリメー
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