1981年3月6日、タワーレコードが渋谷・宇田川町にオープンした。このことは、僕たち東京の音楽ファンにとっては、例えば83年の東京ディズニーランド開園よりもはるかに重要な、そのくらい大きな出来事だった。 もちろんそれ以前にも、芽瑠璃堂(吉祥寺)、Melody House(原宿)、Pied Piper House (青山)、OPUS ONE(高田馬場)などの輸入盤屋が存在してはいたが、どこもマニア向けの様相だったし、そもそも全米最大のレコードチェーン店とはその規模において比べ物にならなかったのだ(ただ、宇田川町の店の開業当時の売り場面積は100坪程度で、現在の渋谷店の1/15以下しかなかったそうだが)。 その後、僕は大学生になって渋谷が通学ルートになったので、タワーレコードとその近くにあったCISCOをハシゴするのが日課のようになった。もともと輸入盤は日本盤より価格は低かったが、さらにCICSOはタワーレコードよりちょっとだけ安かったし、品揃えも違っていたから、両方に寄る必要があったのだ。 ところで、83年にリリースされたザ・ローリング・ストーンズのアルバム『アンダーカヴァー』のジャケットは、女性の裸体をステッカーで隠したもので、当時それが話題になっていた。ただ、残念なことに、東芝EMIから出された日本盤ではステッカー部分が印刷されていたので、剥がして見ることができなかった。 そんな中、タワーレコードの店頭で、ステッカーを剥がすことのできる米国盤が平然と売られていたのには、驚き、かつ喜んだものだ。そう、僕たちはタワーレコードを通じて世界を感じていたのだ。■ Undercover of the Night / The Rolling Stones 作詞・作曲:Mick Jagger, Keith Richards プロデュース:The Glimmer Twins, Chris Kimsey 発売:1983年11月7日 ビルボード最高位:1983年11月26日4位
2016.03.13
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