海外アーティストの音楽を好きになったとき、いかに日本で人気や知名度がなくても音源は割と容易く手に入る今の時代。洋楽好きには有難いことです。が、そんな現代においてもやっぱり日本で人気があればなあ… と思うことがあります。
それは、欧米で絶大な人気があっても日本で無名だったりすると、なかなか来日公演が行われないことです。欧米と日本の人気の格差があればあるほどそれは実現しにくい状況となります。そんなもう来日公演は望めないだろうな(でもどうしても見たい!)と私が思う代表格なバンドがカナダの国民的グループ、ラッシュです。
結成は、私が生まれた1968年。ただ一度の来日公演が1984年。すでにラッシュを愛聴していただけに、私の「行っておけば良かった来日公演」の最上位にくるアーティストです。ちなみに、その個人的な「行っておけば良かった来日公演」の上位にくる他のアーティストとして1981年のAC/DC、1984年のザ・キュアーなどがありますが、ともに約20年後の来日公演を観ることによって「行っておけば良かった」感が若干薄らぎました。
そんなラッシュと私の出会いは1981年のライヴアルバム『神話大全(Exit… Stage Left)』でした。姉が友人から譲り受けたカセットテープを奪い、聴きまくってましたね。当時人気のへヴィメタル、ハードロックとは少し違う、スタイリッシュでスマートな印象を受けるハードプログレ。
超技巧的なんだけど、曲はけっこうキャッチ-、泥臭くないんだけどライヴの臨場感はかなり凄い… と今、こうして表現しながら自分でウンウン頷いてしまうこのアルバム。25作を超えるディスコグラフィのなかでも私はこのアルバムを断トツに推します。初期のベスト選曲でもあるので、初心者の方にもこのアルバムから入っていただくことをおススメします。
メンバー3人とも超のつくテクニシャンなのですが、ルックスで突出するメンバーはおらず、全体的にどこか地味な印象。曲も一聴しただけで印象に残るサビがあまりない。メタルにありがちな様式美も確立していない等々、日本で売れない理由はいくつか思い当たるのですが、欧米での絶対的人気やライヴビデオでのものすごい数の聴衆などを見ると、この “格差” に溜息が出ます。勿論、日本にも熱狂的な信者は存在すると思いますが、この場を借りて彼らの魅力を少しでも紹介できればと思います。
(vol.2に続く)
2016.12.05
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