6月9日

まさにキワモノの境地!モーリス・ホワイトとアース・ウインド&ファイアー

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photo:SonyMusic  

2016年2月3日にモーリス・ホワイトが亡くなった。言うまでもなく、伝説のファンクバンド「アース・ウインド&ファイアー」の創設者兼リーダーのことだ。同時に彼はリードボーカルであり、パーカッションやカリンバの奏者でもあり、作曲者でもあり、プロデューサーでもあったので、ある意味でスーパーマンだったと言ってもいいだろう。しかしながら、僕は彼の死後、彼自身や彼のバンドのことが、世間で美しく語られ過ぎているような気がしている。

もちろん、誰かが亡くなった時にその過去が美化されるのは人の常だし、彼が偉大なミュージシャンであったことは疑いようもない事実ではあるが、僕の記憶が正しければ、1970年代の終わり頃、アース・ウインド&ファイアーは少なくとも日本ではある種、キワモノとして扱われていた。

何より彼らのビジュアルは、あまりにも奇抜で僕達にはインパクトが強すぎた。ステージ衣装はアフリカ先住民風というか、はたまた宇宙服風というか、何だか解らないセンスでとにかく派手。それにリーダーであるモーリスの顔は、嘘みたいに広い額にアフロヘアー、そして髭面。ペテン師か怪しい新興宗教の教祖様にしか見えなかった。

それだけではない。日本由来の要素もある。彼らの8、9、11、12枚目のスタジオアルバムとライブ盤やベスト盤のジャケットのアートワークを手掛けたのは、日本を代表するイラストレーターであった長岡秀星。

宇宙をテーマとした神秘的で SF的な作品で知られるが、彼が手掛けたアース・ウインド&ファイアーのアルバムジャケットは、ヒンドゥー教や仏教などの多神教やピラミッドやスフィンクスなど古代エジプト文明の影響すらも感じさせた。とにかく、現世を離脱したかのような世界観とでも言ったらいいだろうか…

加えて、日本で付けられたアルバムのタイトル(邦題)が、アース・ウインド&ファイアーのキワモノ感を増長させるのに大いに貢献している。これは、実際に見てもらうのが早いだろう。


■Open Our Eyes『太陽の化身』
■That's The Way Of The World『暗黒への挑戦』
■Gratitude『灼熱の狂宴』
■All 'N All『太陽神』
■I Am『黙示録』
■Raise!『天空の女神』
■Powerlight『創世紀』


もはや原型を全く留めていないではないか。でも、そもそもアース・ウインド&ファイアーというバンド名自体、占星術の本を読んだモーリス・ホワイトが、自分の星座(射手座)が暗示する3つのものから名付けたらしいから、この邦題が僕たちに彼らの宇宙観あふれる雰囲気(?)をうまく伝えてくれたとも言える。

… ということで、最後に日本のディスコでも流行った「ブギー・ワンダーランド」のビデオクリップを観てもらいたい。特に後半が凄い。教祖様(モーリス・ホワイト)を囲むように巫女(彼らの妹分でもあったエモーションズ)も信者(モーリス以外のメンバー)も踊り狂う。音を消して観るのもオススメだ。


Song Data
■Boogie Wonderland / Earth, Wind & Fire with The Emotions
■作詞・作曲:Allee Willis, Jon Lind
■プロデュース:Maurice White, Al McKay
■発売:1979年3月20日(1979年7月14日 6位)


Billboard Charts
■Open Our Eyes(1974年5月18日 15位)
■That's The Way Of The World(1975年5月17日 1位)
■Gratitude(1976年1月17日 1位)
■All 'N All(1978年1月7日 3位)
■I Am(1979年7月14日 3位)
■Raise!(1981年11月28日 5位)
■Powerlight(1983年3月26日 12位)

※2018年2月3日に掲載された記事をアップデート


2019.02.03
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  YouTube / EarthWindandFireVEVO


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1965年生まれ
goo_chan
モーリスの広大な額の上にあるのは髪の毛ではなくてオーラだと思ってました。
2018/02/07 23:50
2
返信
1965年生まれ
中川 肇
素晴らしい表現ですね :D
2018/02/09 09:47
2
1965年生まれ
飛影
そうか馬鹿ロックだったんだ。
2018/02/04 03:35
2
返信
1965年生まれ
中川 肇
うん、まぁそう言えなくもないかも・・・
2018/02/04 12:50
1
ひろ
当時NHK-FMで、渋谷陽一がEW&Fについて、完成度のレベルが違うとコメントしていた。初めてGetawayを聴いた時はぶっ飛んだし、ライブのBe Ever Wonderfulは鳥肌もの。全く古びないです。


2018/02/03 20:45
2
返信
1965年生まれ
中川 肇
渋谷陽一さんのEW&F評は、Led Zeppelinに対するのと同じで理屈の外って感じですね :)
2018/02/04 12:46
3
1965年生まれ
中川 肇
この2曲が正にそうですが、僕はEW&Fがディスコバンド化する前の75-77年頃のサウンドが好きです :D
2018/02/04 12:47
4


カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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