6月9日
世界一過小評価される弟分、ロニー・ウッドがストーンズにもたらしたもの
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ローリング・ストーンズのアルバム「女たち(Some Girls)」がリリースされた日
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ローリング・ストーンズ、1978年のアルバム『女たち(Some Girls)』は、ロニー・ウッド(ロン・ウッド)が加入して以降いちばん評判がいいアルバムと思われる。パンクにディスコと、直線的なビートが若者社会に横溢しだした劣勢期に、軸足ぶれぬままそれらを丸呑みしてみせた形勢逆転の記録である。

ロニーは、ストーンズに加入して40年以上にもなるが、それまでに代表作の大部分が出揃っていたこともあって、いつまで経っても内外から新参者扱いされている。過小評価以前に、批評そのものがあまりされてこなかった。

初代リーダーのブライアン・ジョーンズは、スライドギターの名手であった一方、作曲コンプレックスの反動で数多くの楽器を奏でたことから、ギタリストの範疇では語りきれない大きな存在になっている。

また彼に代わって加入したミック・テイラーは、雄弁なカウンターメロディを弾きまくる典型的なリードギタリストで、キース・リチャーズが “リフ・キング” に覚醒する起爆剤にもなったことから、在籍期間は最短ながらも黄金期を語る上で実に批評性が高い。

そんな過去の猛者二人に対して、ロニー・ウッドはどういうギタリストなのかといえば。それは、彼の加入構想を当初よく思っていなかったビル・ワイマンの次の発言に象徴されている。

「キース・リチャーズは、2人もいらない」

『女たち』のハイライトは冒頭の「ミス・ユー」でも表題曲でもなく、キースとロニーのギターが偶発的かつ巧妙に絡み合う「ビースト・オブ・バーデン」だろう。

結成当初よりギターのコンビネーションをサウンドの鍵にしてきたストーンズが、従来通り各自の役割を明確に分担するのではなく、いずれもがリズムパーツであり、リードパーツでもあり続けるスタイルを本作で確立した。実際キースは、ここでの自分とロニーのプレイを完全には区別できないと言ったことがある。

ぼくの中のイメージだと、この見事なコンビネーションは互いが同じ歩幅で歩み寄った結果ではない。一方的に、ロニーがキースの聖域に “入って来やがった” 結果だと思う。

それも、怖い兄貴を敢えてからかう弟のように。ナイーブなテイラーとは違い軽佻浮薄なその男は、自分の定位置がどこであるかなど無視している。真剣を構えたキースの廻りを終始ウロウロウロウロ、ヘラヘラヘラヘラ…。

そういうアッパレな怖いもの知らずぶりにより、ギター2本の絡みが予測不能になると、代わりにリズム隊の太さが増していった。そう、当初はモッズカラーも含まれていた彼らのグルーヴが本格的に黒光りしだしたのは、ロニーが掻き回したからだと思う。

ロニーが間奏でリードらしいリードを弾きだすときは、キースの聖域にきびすを返しながら「じゃあ、コレ済んだらまたすぐ遊びに来っから」と言っている感じがする。いやはや、天才奇才のすぐ隣で40年嗤っていられる男の勇ましさよ。

森は一日して成らないが、たぶんロニー・ウッドは端からそういう奴だ。

2018.02.14
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  YouTube / The Rolling Stones


  YouTube / elnegrovilla
 

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カタリベ
1982年生まれ
山口順平
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