セックス・ピストルズを初めて聴いた時は驚きだった。
これでいいのか! と拳をギュ〜っと握り締めながら聴いていると、今まで聴いてきた音楽が一気に色褪せていくような感じがした。アルバムを聴き終わった瞬間にバンドをやりたいと思ったのは僕だけではないはず。
ピストルズをはじめパンクロックには人にそんな衝動を与える何かがあるんだろうな。楽器が弾けなくてもできるとか、歌が下手でもできるとかそういうことではない何かが。
中国のパンクバンド、ドラゴンズも僕と同じようにピストルズにショックを受けたクチなのだろう。彼らが演奏する「アナーキー・イン・ザ・U.K.」は歌詞がわからなかったのか、ただ「あ〜あ〜」言っているだけ。オリジナル曲を知らない人は聴く気にもならないだろう。でも僕は自分以外にも似たようなヤツらがいると思えてなんだかすごく嬉しくなった。
遠藤賢司もセックス・ピストルズに触発されて「東京ワッショイ」を作ったという。そうなのか? どの辺なのかな〜? いまひとつすっきりしないのだが、それは置いといても『東京ワッショイ』は最高に楽しいアルバムだ。
遊び過ぎと思われるぐらいやりたいことを全部詰め込み、歌舞伎からスター・ウォーズまで、東京から銀河の彼方まで、縦横無尽に飛び回っている。アルバムジャケットを見ているだけで楽しくなってくるもんね。
でも、その自由さの中にも一本筋が通っていて、それを感じるのが「東京ワッショイ」と並び、遠藤賢司の代表曲とも言える「不滅の男」だ。
最初から最後まで歌詞のどこを取ってもグッとくる。初めて聴いた時から30年近く経つ今も、ずっと色褪せることなく変わらない感覚を聴く度に僕に与えてくれる歌なのだ。
この歌詞こそがピストルズに触発されたポイントなんだろうとずっと思っていたのだが、最近になって異説を知った。
セックス・ピストルズのある曲(たぶん「さらばベルリンの陽」)で「ワッショイ ワッショイ」というコーラスが聴こえ、そのコーラスに触発されて「東京ワッショイ」を作ったという。
なるほどそれはありそうだな。アコギ一本で「俺はいつでも最高なのさ」と歌い続ける遠藤賢司の姿こそパンクそのものじゃないか!
エンケン、ワッショイ!
2017.04.11
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