ロンドンに住んでから1週間が過ぎ、Hendon Central 駅から日本人学校がある Camden Town 駅に通学する最初の週。
1982年4月2日。
アルゼンチン正規軍がフォークランド島に侵攻!
今でもあの日は忘れない。
BBCを見ていたら「本日午後、アルゼンチンがフォークランド島を侵攻しました。戦争です」と臨時ニュースが流れ、翌日の新聞紙面は「WAR!!!!!」と好戦的な文字。
フランスのエグゾセミサイルを持っているアルゼンチン軍はイギリス海軍の駆逐艦・シェフィールドを5月4日撃沈。5月30日にはイギリス海軍自慢の軽空母・インヴィンシブルにも命中。
とんでもない時にイギリスに来てしまった…
到着初日にモヒカン頭の連中が暴れ、IRA(アイルランド共和軍)が爆弾テロを頻発に行っていて(イギリスがアイルランド北部を占領しているのが気に入らない)、日本人学校近くのいつも遊んでいたリーゼントパークのトイレが爆弾で吹っ飛ぶわで、毎日がサバイバル。
しかし、人間とは不思議なもので慣れてしまうというか、数日後にはまたそこでサッカーをするなど(笑)
ーーこんな私の思春期に、心を癒す音楽のジャンルはズバリ、ヒーリング系。特に喜多郎の作曲した「シルクロード・絲綢之路」。
イギリスに来る前に観たドキュメンタリー番組『NHK特集 シルクロード』が小学校の良き思い出として甦り、今いるイギリスを中心とする西洋文明に対する東洋の神秘、善と悪を超えた崇高なマインドにいざなう清めの儀式を行うまでに。
毎日夜になるとこっそり自分の部屋で座禅を組み、シンセサイザーが奏でる音に、遠い日本に想いを馳せながら涙を流し、心身ともにリフレッシュ(笑)。
こんな感じで、折角イギリスに住んでいるのに、ブリティッシュポップスにもっとのめり込んでいけば良かったのだが、正直、カルチャー・クラブなどは衝撃的過ぎて、おそらくあの当時の自分のキャパを超えてしまってトラウマに。
このような体験から、小学校時代にはテレビのBGM程度に聞いていた「シルクロード」が、私の東洋人としてのアイデンティティーの防波堤及び逃避行となり、イギリスに住んでからのめり込んで行くという逆転現象が起きたのがあの当時の良き思い出か…
2016.07.18
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