80年代、洋楽チャートやMTVをチェックしていて良かったと思うのは、ジャンルを問わず、幅広く様々なアーティストや音楽に出会えたこと。
新しいアーティストは勿論だが、70年代から活躍していたアーティストであっても初めて知る名前が結構あった。特にR&B、ソウル、ファンク系はかなり浅い知識だったので、この時期のヒット曲が多くのアーティストを知るきっかけとなった。
クール&ザ・ギャング、チャカ・カーン、ティナ・ターナー、ポインター・シスターズ等々。コモドアーズもライオネル・リッチーのヒットによって知ったグループでした。なかでも衝撃を受けたのがキャメオ。86年の「ワード・アップ」のカッコよさったら!
メタリカのライヴのオープニングでもお馴染みの『続・夕陽のガンマン』(byエンニオ・モリコーネ)のテーマにおける「ピヨピヨヨォー」というあの口笛をチープなシンセ音で鳴らしながら始まるオープニング。これまたチープながら派手なビートのドラムをバックにヴォーカル、ラリー・ブラックモンのひたすら黒く粘っこいヴォーカルが乗っかっていく。これまでに聴いたことのないような、高揚感が湧きたつ本当にカッコいい曲です。
そして、この曲に勝るほどの衝撃がメンバーのファッション。当時、隆盛を極めたゴルチェによるものですが、注目はやはりラリー・ブラックモンの股間に燦然と輝く赤い金カップ !! 主に野球などの球技で使用されるので、ファウルカップとも言うそうです。
マイルス・デイヴィスも出演している3rdシングル「バック・アンド・フォース」のミュージックビデオは全編この金カップだけがフィーチュアされてます。大胆な角刈りと素晴らしくマッチしたこのファッションには本当に目を奪われますが、着こなせる人は世界中にわずかでしょうね(笑)。
70年代からこの時まで10枚以上のアルバムを出しながらキャリア最高のヒットとなったこの曲に続き、「キャンディ」、「バック・アンド・フォース」とアルバムからのカットが立て続けにヒット。
以降、これを超えるヒットはありませんでしたが、「ワード・アップ」は様々なアーティストによってカヴァーされました(それもほとんどシングルとして)。
ロックバンドのガン(Gun)、元スパイス・ガールズのメルB、ハードロックの大御所コーン(Korn)、ワン・ダイレクションの妹分リトル・ミックスなどそれぞれがスマッシュヒットを記録しています。
なかでもおススメは94年のガンによるヴァージョン。現代風のダンスナンバーとなった2014年のリトル・ミックスも秀逸。グランジロックにもフィットネスにも合ってしまうところがスゴイですねえ。
ちなみに、ワード・アップ(Word Up)とは、「その通り!」とか「言えてる!」など相手に同意する時の言葉だそうです。なるほどロックアンセムにもなり易いし、エキササイズ中の合いの手にもピッタリというわけですね。Word Up !!
2017.08.22
YouTube / CameoVEVO
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YouTube / GunVEVO
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