8月29日

ルード・ボーイ、80年代後半 THE CLASH が日本で愛された理由

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ザ・クラッシュの映画「ルード・ボーイ」が日本で劇場公開された日
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ロンドン三大パンクバンドのひとつとして頭角をあらわし、80年代後半にも多大な影響力があったバンドがザ・クラッシュだ。

彼らのドキュメンタリー映画『ルード・ボーイ』が日本公開されたのは1987年8月29日。新宿歌舞伎町、ミラノ座脇にあった小さな映画館だった。87年といえば、ザ・クラッシュが解散を表明した1年後。そんな時期に日本におけるクラッシュ熱は再びピークを迎えていたような気がする。

この映画の協賛はアパレルメーカーのメルローズ、そして当時のキャッチコピーは「メローなトンガリ、ストレート・クライ・シネマ ーー ロンドンするクラッシュ」だった。

恥ずかしいぐらいのダサさ加減がいかにも80年代的ではあるが、映画の内容は裏腹にシニカルなものだ。

不況のロンドン、サッチャー政権の下、右派、左派のヘイトスピーチが吹き荒れる中、ザ・クラッシュが登場する。この映画は、ポルノショップの店員から彼らのローディーとなる主人公レイ・ゲンジの目から見たロンドンの現状、そして、ザ・クラッシュが頂点へと駆け上がる姿が描かれている。セカンドアルバム『動乱(獣を野に放て)』(Give 'Em Enough Rope)のレコーディング時期、バンドにドラムス、トッパー・ヒードンが加入、そのファンキーなドラミングを武器にグルーヴ感を加速させていく。

ザ・クラッシュは若い世代の代弁者として政治を歌い、直情的なガレージサウンドからキャリアをスタートさせたにも関わらず、レゲエ、スカ、ロカビリー、ファンク、ヒップホップという雑多な音楽を吸収し、独自のスタイルを確立させ80年代を駆け上がったバンドだ。その礎となる活動期間がこの映画の中で描かれている。

79年末に発売されたサードアルバム『ロンドン・コーリング』はアメリカの音楽雑誌『ローリング・ストーン』で1980年代の最高アルバムに選出され、82年にリリースされ、トッパーが楽曲を手掛けたシングル「ロック・ザ・カスバ」はビルボード最高位8位。ディスコ・クラシックとしても人気が高い。

よって、彼らの絶頂期は80年代初頭と言えるが、ここから数年のタイムラグがあるにも関わらず、80年代後半の日本において絶大な人気を誇っていた。その理由のひとつとして、彼らに影響を受けたフォロワーともいえるバンドが後を絶たなかったことが挙げられるだろう。

ザ・モッズ、ザ・ブルーハーツがその代表格であるが、ザ・チェッカーズの藤井フミヤ氏もメンバーがソングライティングを手掛けるようになった頃、ザ・クラッシュのロックンロールを基盤とした多様な音楽性、そして彼らが好んだフィフティーズスタイルの古着ファッションに影響を受けたと公言している。

そして、もう一つの理由は、音楽評論家・大貫憲章氏がオーガナイズしている『ロンドン・ナイト』をはじめとする、ロック系のクラブイヴェントでは、必ずと言っていいほど、彼らの曲がキラーチューンとなっていたことだ。「ロック・ザ・カスバ」だけでなく「アイ・フォウト・ザ・ロウ」、「新型キャディラック(Brand New Cadillac)」といった、50年代のロックンロール・クラシックを彼ら流に焼き直したカヴァー曲がフロアを熱狂の渦に巻き込んでいた。

このように80年代後半にザ・クラッシュの持つ精神性、音楽的趣向、ファッションスタイルは、これを継承するバンド、クラブDJにより発信されていく。そして、この時代を生きる若者たちに共鳴拡散されていった。

もちろん、僕もその中のひとりであり、30年たった今でもザ・クラッシュを精神的支柱として毎日を生きている。

2017.10.19
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