徒歩20分、チャリなら5分、自動車だと2時間てな~んだ?
答え、夏の鎌倉の交通事情。普段でも休日は首都圏から手軽に観光できる場所なので混むのに、夏はそれに海水浴客が加わるので大変な混みようになる。
綾瀬はるか主演の映画「海街ダイアリー」のヒットなどもあり、今年はいつになく混雑しているような気がする。そんな鎌倉ではあるが、やはり人出が多く街に活気があふれると、なぜかこちらもウキウキするものである。
1988年の夏休み、学生であった私は、日中は近所のガソリンスタンドでアルバイト。夕方からはこれまた近所のホテルでウェイターのダブルヘッダーでお小遣いを稼いでいた。当時は暴走族もまだまだ健在で、ガソリンスタンドにはちょっと面倒なお客様が来店することもしばしばであった。
またバブル絶頂期でもあり、海沿いのホテルにはセレブな方々が一食ウン万円するディナーを召し上がりに来ていた。原価1,000円にも満たないマテウスロゼというワインを8,000円でご購入頂き、蝶ネクタイ姿でサーブしていたのが懐かしい。
仕事が終わると10時を過ぎているのだが、帰り道はちょっと遠回りをして海岸を歩いて帰る。蝶ネクタイとは打って変わってジーンズにビーサンというラフなスタイルである。酒屋でビールを買って、レゲエを聴きながら、昼間の太陽熱を吸収した、何とも言い難い暖かさの浜辺を歩く。格好をつけている訳ではないのだが、そんな光景が日常茶飯事なのが鎌倉の夏であった。
夏の夜、海岸で聴く私のお気に入りは、ボブ・マーリーとジミー・クリフ。特にボブの「ノー・ウーマン・ノー・クライ」とジミーの「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」はハートランドビールとの相性が抜群だった。同僚と帰るときは、ビールにピスタチオのおつまみが付く。お行儀は良くないが、道路に殻を捨てると、海岸線を走る車が「パキパキ」と音を立てて走り去っていくのが面白かった。
あれから30年、今年も鎌倉に夏がやって来る。夏夜の海とビールとレゲエの方程式は永遠である(海開きは7月1日~8月31日まで。お盆を過ぎると夕方からクラゲが出るのでご用心)。
2016.07.23
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