8月25日

80年代ディスコの定番、チークタイムは「ケアレス・ウィスパー」

13
0
 
 この日何の日? 
ワム!feat. ジョージ・マイケルのシングル「ケアレス・ウィスパー」が日本でリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1984年のコラム 
ジャンボ鶴田と藤波辰巳はどちらが強いのか?「1・2の三四郎」でも大激論!

クラッシュギャルズの音楽を考察!80年代女子プロレスといえば長与千種とライオネス飛鳥

チェッカーズ哀愁三部作のひとつ「星屑のステージ」初々しくも切ない青春の終止符

初めてのディスコは「渋谷ラ・スカラ」チークタイムはワム!のバラード♪

今、哀しみのスパイを聴きながら謎めいた女神・小林麻美について語ろう

ソニー3大色物バンド? もはや爆風スランプというジャンルとも言える強烈な個性!

もっとみる≫



photo:Music-bazaar  

80年代が空前のディスコブームであったことに異論はないであろう。

いやいや何もマハラジャやレキシントンクイーンの話をするつもりはない。あくまで身の回りにあった話をしたい。

当時の大学学園祭といえば、未成年の飲酒などどこ吹く風で飲めや歌えやの乱痴気騒ぎ、女性蔑視などどこ吹く風のミスコン三昧であった。私の通っていた田舎の大学でさえ、普段授業に出てこない学生や近隣の高校生、短大生が大挙して押し寄せ、学園祭期間中はキャンパス中が人で溢れかえっていた。

各クラブやサークルが知恵を絞って出す模擬店が華やか。基本は食べ物系が多かったが、私のクラブは伝統的にディスコを運営していた―― ディスコ運営といっても特に音楽に造詣があるクラブではなく、むしろガチの体育会系クラブであったのだが、その活動費を稼ぐためにローコストでハイリターンが望める商材を選んでいただけである。

模擬店チケットの相場はせいぜい200~300円くらいであろう。しかし我々はディスコに出入り自由なワンデイパスを800円という高値で販売していたのだが、これが飛ぶように売れたのであった。

仕掛けはこうだ。ちょっと可愛い女子高生や近隣の女子短大生に無料でチケットを配る。「見に来るだけでいいよ。カクテルも一杯ご馳走するからさ」などと言葉巧みに誘導する。後は馬鹿な男子学生がそれを目当てに高価な800円チケットを買いに来るのを、耳垢をほじりながら座して待つだけである。このシステムを考え出した先輩は天才と言っていいだろう。もしかしたらその先輩が現在の出会い系サイト運営の元祖かもしれない。

さて、そんなディスコ運営だが選曲にも秘密があった。それは10曲に1曲の割合でチークを入れるのである。

まず、ボニーMの「ハッピー・ソング」あたりから始まり、次はマイアミ・サウンド・マシーン「コンガ」へ。さらに、ホット・ゴシップ「ブレイク・ミー(Break Me Into Little Pieces)」などを経由して10曲目に、ハイお待ちかね。ジョージ・マイケル「ケアレス・ウィスパー」へ突入させる。

1曲3分として9曲で27分、そこに3分のチークが入る。つまり1時、1時半、2時、2時半と30分おきに馬鹿な男子学生が大挙して押し寄せ、チークタイムが終わると潮が引くように去っていく。満潮と干潮が30分置きに起こるのが特徴のディスコであった。

そして、一日の最後は定番のボーイズ・タウン・ギャング「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」で締める。それが我々クラブのしきたりであった。

2018.05.13
13
  YouTube / georgemichael


  YouTube / My favorite world POPs
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1967年生まれ
時の旅人
コラムリスト≫
45
1
9
8
5
新宿ディスコシーンの栄枯盛衰と「デッド・オア・アライヴ」のシークレットライブ
カタリベ / 本田 隆
46
1
9
8
7
デッド・オア・アライヴがやって来た!ラフォーレ原宿に鳴り響くハイエナジー
カタリベ / ロニー田中
13
1
9
8
7
クラくないから!思春期の脳内変換が作り出したニュー・オーダーのイメージ
カタリベ / ソウマ マナブ
42
1
9
8
4
ワム!「ラスト・クリスマス」を名曲にした9th(ナインス)の魔法
カタリベ / スージー鈴木
10
1
9
7
9
スパークス、ピコピコ音とネット回線「No.1 in Heaven」の衝撃!
カタリベ /  白石・しゅーげ
77
1
9
7
8
イーグルスがカバーした聖夜のクラシック「ふたりだけのクリスマス」
カタリベ / 藤澤 一雅