正統派お嬢様キャラ No.1 岡田有希子
「いままでのアイドルの中で、正統派なお嬢様キャラで、いちばん可愛かったのは誰?」
―― なんて質問があったなら、誰がNo.1になるだろう?
個人的には、どう考えても岡田有希子さんを挙げちゃうよなぁ。同じお嬢様キャラで、南野陽子さんっていう見方もあるけど、南野さんの場合、アイドル時代後期から “イロモノ” に走っちゃった時があるし、今ではすっかり女優さんになってしまいましたからね。それを考慮すると、どうしても採点が辛口になっちゃうわけで…。
それに引き換え、岡田有希子さんは、いま映像を観てもマジでかわいらしいわな。もうね、究極のアイドル。今でもネット上でめちゃくちゃ人気があるのも頷けます。
竹内まりやが紡ぎだすオールディーズ調ポップス
そんなお嬢様キャラが一番際立っていたのが、今回セレクトしたデビュー第3弾シングル「Dreaming Girl 恋 はじめまして」の頃なんじゃないですかねぇ。前作の「リトル・プリンセス」から、お嬢様キャラ的な曲だったんだけど、曲の完成度から考えてもこの曲が最高点だったと、個人的には思うんだよね。
これは、竹内まりやさんが紡ぎだす50~60年代オールディーズ調ポップスに、岡田有希子さんの歌声が実にフィットしているからなんだよね。ジャケ写も岡田有希子さんのシングルでは一番いいと思う。“素” が出てて。ちなみに、この曲で初めてのオリコンベストテン入り。それでも最高位7位だったんですよね。昨今のネットでの人気ぶりを考えると見る方によっては意外かもしれないけど。
それにしても、竹内まりやさんって、アイドルの曲を書くのがホント上手い。下世話じゃないんだよね。“品” があるのよ。それによってアイドルの品格もひとつ上げてくれるような…。
“ルックスからしてお嬢様” という雰囲気の岡田有希子さんと、この曲の組み合わせはベストだったと今でも思いますね。
キャラの固定は飽きられる? 同路線の曲は3枚まで…
ただ、曲を含めて考えた場合、個人的には、もう少しこの正統派なお嬢さん路線で行ってほしかったような気がする。
もっとも、キャラを固定化することで飽きられるのも早まるということから、同じような路線の曲は3枚まで… というのが業界の昔からの通例。だからこの後、曲傾向が変わっていくっていうのも仕方がないことではあるんですけどね。
でも、次作「二人だけのセレモニー」から、ちょっとずつ路線が変わっていったような印象が個人的にはあるんだよね。今考えると、それが悲劇の始まりだったような気がしてならないんですよ。
お嬢様から正統派へ、曲としても面白かった最後のアイドルポップス
これは個人的な贔屓目かもしれないけど、岡田有希子さんって、アイドル性が完璧だったと思うんですね。お嬢様アイドルから正統派アイドルへ… 彼女が出てきたからこそアイドルっていうのは、ある意味完成されちゃったのかもしれないと思えるんだよね。
だからこそ、次の年、1985年におニャン子クラブっていう黒船グループが出て来て、アイドルのあり方自体の大きな変化が早まったんじゃないのかな… なんて思えたりするんだよね。まあ、今となっては結果論だけど…
ただ、この1985年以降、アイドルって急速にマニアのもの… っていうほうに向かっちゃいましたよね。
1984年くらいまでが一般ウケして、曲としても正統派で面白かった最後のアイドルポップスじゃないかなぁ… と個人的には思うんだけどね。
Song Data
■ 岡田有希子 / 恋 はじめまして
■ 作詞:竹内まりや
■ 作曲:竹内まりや
■ 編曲:萩田光雄
■ リリース日:1984年9月21日
■ 発売元:キャニオン
■ オリコン最高位:7位(1984年10月8日付)
■ 売上枚数:12.9万枚
■ タイアップ:グリコ「セシルチョコレート」CM曲
■ かじやんの THE HITCHART HOT30 最高位:15位
■ HOT30 ランクイン期間:1984年10月1日~11月5日付
2020.10.08