7月20日

太陽がいっぱい!? 80年代アイドルと過ごした堀越高校の学び舎

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アイドル好きな方なら一度はその名を聞いたことがあるであろう「堀越高校」。アラフィフ以上の方には「堀越学園」という呼び名の方が馴染みがあるかもしれません。

僕は、1988年4月から1991年3月までの3年間、堀越高校に在学していました。今回は、アイドル達と同じ学び舎で過ごした日々のことを、当時を思い出しながら綴っていきたいと思います。

東京都の中野区に校舎を構える堀越高校ですが、かの有名な「芸能活動コース」が設置されたのは1973年のことで、一期生には郷ひろみ・野口五郎・坂口良子といったスターが名を連ねていたそうです。主な芸能コース卒業生の顔ぶれをちょっと見てみましょう。

■1976年卒:石川さゆり
■1977年卒:岩崎宏美、森 昌子
■1978年卒:榊原郁恵、片平なぎさ
■1979年卒:石野真子、浅野ゆう子
■1980年卒:松田聖子、岩崎良美
■1984年卒:松本伊代、柏原芳恵
■1985年卒:早見優、堀ちえみ、松本明子
■1986年卒:岡田有希子、本田美奈子、南野陽子、長山洋子
■1987年卒:荻野目洋子、井森美幸、森口博子
■1988年卒:森高千里、山瀬まみ、嶺川貴子
■1989年卒:酒井法子、西村知美、渡辺美奈代
■1991年卒:高岡早紀、田中律子、石田ひかり
■1992年卒:稲垣吾郎、深津絵里、高橋由美子、桜井幸子、夏川りみ
■1993年卒:草彅 剛

これはもう、そのまま日本のアイドル正史であると言っていい程のラインナップですね。これでもスペースの都合上かなり抜粋しています。その気になれば、堀越ナイト! 的な DJイベントだって催せそうな感じです。ちなみに僕は91年卒ですので、89年卒から93年卒の芸能人と時期が被っていたことになります。

改めて、卒業生の顔ぶれを見てみると、息の長い活躍をされている方が多いです。また、在校当時は中々芽が出なかったけれども、堀越での教えを胸に秘めて諦めずに活動を続け、後々ブレイクした方もいます。夏川りみは、在校当時は「星 美里」として活動していたのですがあまり売れず、卒業10年後に「涙そうそう」が大ヒット。一方で学業と芸能活動との両立に耐えられず、中退してしまう芸能人もいました。

僕が入学した1988年4月、ヒットチャートを賑わしていたのは、堀越の卒業生でもある南野陽子の「吐息でネット」… 心を春風で満たしてくれるような軽快なナンバーを胸に、華やかな日々を期待して堀越の門をくぐったものです――。

しかし、待っていた学園生活は、想像とは180度真逆、収容所のなかにいるような厳格かつ地味な日々。

校門では必ず立ち止まり、校旗に敬礼。
朝礼では7箇条(我等の信条)を唱和。
他教室へは出入り禁止。
指定通学路以外通行禁止。
素行を点数化する行動点制度。

―― といったルールの数々。

非行・喫煙防止の目的で設計されたドアの無い個室トイレ。そして、入学早々僕をがっかりさせたのが、共学なのに男子の割合が83%という現実(男女別クラス・男女交際禁止)。このように校則厳しめだったこともあってか、芸能人の皆さんは毎日結構しっかり学校には来ていました。そしていつしか、芸能人と廊下ですれ違うことすら空気のような日常になっていったのです。

そんな静かな学園生活が一変したのは、僕が2年に進級する1989年4月のこと。時の人気絶頂アイドル、光GENJI の赤坂 晃、佐藤敦啓が入学してきた時でした。当時彼らは、3rd アルバム『Hey! Say!』がオリコンで3週連続1位を記録。まさに人気のピークを迎えていました。

そうなるともう、学校は動物園の檻の中状態です。毎日、女子高生が校門の外の小さな公園に集結し、校内のあっくんとアキラくんの顕現を待ち続けるのです。下校時刻にはギャラリーの数は2百~3百人にも膨れ上がりました。ある日、その様子を取材にきた『筑紫哲也ニュース23』が校門前で在校生にインタビューを敢行し、「覗かれてるみたいで嫌ですね」などと答えた僕の姿が、全国ネットでオンエアされてしまうという出来事もありました。

こういった社会現象を内側から体感した僕にとっての堀越高校は、芸能人というよりは、光GENJI の追っかけと共生した日々という印象です(どういうわけか僕が初めてデートした女子も、追っかけで来ていた他校の子でした)。

そして平成(Hey! Say!)時代が幕を降ろそうとする現在、堀越高校の芸能活動コースは、現在はトレイトコースと名を変え、創立100周年を間近に控えた今も健在です。思えば、校訓「太陽の如く生きよう」の精神を胸に、80年代に光GENJI をはじめとするアイドル達と同じ学び舎で過ごした僕の高校生活は――


 幾千分もの奇跡をこえて巡りあった夢


まさに「太陽がいっぱい」だったのだと思います。ただ、残念ながら3年間で僕が芸能人と会話を交わす機会は一度も無かったです。

あ、そういえば、一度だけ石田ひかりさんに「すみません、そこをどいて下さい」って言われたことありました。僕が下駄箱の前で座り込んで邪魔になっていたからでした。

石田ひかりさんには、この場を借りて改めてお詫び申し上げます。

2019.01.23
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カタリベ
1972年生まれ
古木秀典
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