平成生まれの僕が、この歌を知ったのは、小学6年生の時だ。
当時、放送されていた『速報! 歌の大辞テン』(日本テレビ系)は最新のトップテンと過去の “ある年” の月間トップテンを比較しながら紹介していく音楽番組。僕はそもそも最新のトップテンを知りたくて、テレビを観ていたのだが、ある回で流れたイントロを聴いて、衝撃が走った!
「なんだ! このセンセーショナルなサウンドは!」
小学6年生で “センセーショナル” なんて言葉を使う時点でどうかと思うが、それはさておき―― その “センセーショナル” なイントロは、チェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」だった。
そして、その感動を引きずったまま中学1年に上がり、初めてツタヤで借りたCDが『EARLY SINGLES』。チェッカーズの初期のシングル作品だけを集めたベストアルバムだ。
ここから僕は「昭和歌謡」にどっぷりとハマっていくわけですが、なぜあの曲に惹かれたのか、今回は自分なりに分析してみた。
1:イントロでむせび泣く、藤井尚之のサックス
大体、どのチェッカーズの楽曲にも必ずこの藤井尚之さんのサックス演奏はあるのだが、これはチェッカーズでないと成し得ない賜物!
今思うと、このサックス演奏に僕はやられたのかも知れない。ギターのソロでやるのとは、恐らく感じが変わるが、序章として物語の方はこのサックスで随分決まってくる。
次のシングル「哀しくてジェラシー」のイントロも、いかにもジェラシーを感じさせてくれるサックス! この曲も是非、平成生まれに聴いてほしい!
2:起承転結のハッキリとした数え歌
尾崎豊のような世界観や人生を彷彿とさせる歌詞。平成生まれから見ると、まずあり得ない生き方だし、憧れや共感とまではいかないがヤンチャな男の生き様に触れ、そういう人も居たのだなと想像を掻き立てられる。
この当時であっても、なかなか4番まで歌詞のある歌は珍しいと思う。
3:サビ(歌詞)のリピートによる洗脳
あー わかってくれとは言わないが
そんなに俺が悪いのか
ララバイ ララバイ おやすみよ
ギザギザハートの子守唄
一言、「悪いよ」と言いたくなるが、曲が進み4番になるにつれ、若気の至りなのか、大人に成長するとわかってくる胸のモヤモヤや葛藤があり… そして、ここまで来ての、このサビ! 気が付けば同情してしまっているのです。
何回、同じ歌詞を繰り返しても、クドくなく聴こえる。むしろ「待ってました!」と言わんばかりに聴きたくなる。もうこれは、海老一染之助・染太郎を見ているような感覚に近いですね。わかりづらいですか?
「ギザギザハートの子守唄」平成生まれの方は、まずはこのような聴き方をしてみてはいかがでしょうか?
2018.06.12
YouTube / Hodge-podge
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