小泉今日子は、今年(2017年)でデビュー35周年を迎えた。
先日、それを記念して
ビクターエンタテインメントから『コイズミクロニクル』が発売されている。1982年のデビュー曲「私の16才」から最新曲「T字路」までのシングルだけでなく、別名義シングル、両A面シングル、12インチシングルなど、全てのシングル50曲が収録されている完全版だ。
僕は迷いに迷って… 嘘だ、速攻予約した。
そして待ちに待った5月17日、ついに手元に届いたんだ。買ったのはもちろん『コイズミクロニクル』の初回限定版。この初回限定版には「コイズミシングル~小泉今日子の50のシングル物語」という書籍が付いてくる。これを読むだけでも買った甲斐があったというものだ。
仕事が忙しく、殆どプライベートな時間が無い今、まだ完全に読破したわけではないけど、小泉さんの全シングルの制作に携わったスタッフによる楽曲誕生秘話がイキイキと綴られている。
僕は、Re:minderに小泉さんについてのコラムを既に3つ書かせてもらっているけど、何故デビュー曲と2曲目がオリジナルでなくカバー曲だったのか、何故3曲目と4曲目が少し古めの曲調だったのかなど、疑問に思っていたことの種明かしがしっかりと書かれていて、まさに小泉今日子のバイブルと言っていい。
小泉さんファンでまだ『コイズミクロニクル』を手に入れていないRe:minder読者の方、是非購入することをお勧めします。僕は決してビクターエンタテインメントの回し者では無いのだけど。
さて、少しタイミングがズレたけど、我らが小泉さんのデビュー35周年を記念して、今回は9枚目のシングル「渚のはいから人魚」について。
「渚のはいから人魚」は小泉さんにとって特別な曲だ。そう、この曲で初めて小泉さんはオリコンシングルチャートの週間1位を獲得することになる。
5枚目のシングル「まっ赤な女の子」でピッカピカのアイドルとして弾けた小泉さんだけど、オリコン1位までの道のりは意外と長かったのだ。ちなみに「まっかな女の子」は最高8位、6枚目の「半分少女」は最高4位、7枚目の「艶姿ナミダ娘」は最高3位、8枚目の「クライマックス御一緒に(あんみつ姫名義)」は最高4位となっている。
「渚のはいから人魚」の発売は1984年3月21日だ。2年前の「私の16才」でデビューした記念日と同じだったいうことも実に面白いなぁ~と僕は思う。
ここから始まる1984年の快進撃、次のシングル「迷宮のアンドローラ」、その次のシングル「ヤマトナデシコ七変化」と3曲を続けてオリコンシングルチャートの1位に送り込む活躍で、小泉さんは紅白歌合戦に文句なしの初出場を果たすのだ。
小泉さんファンとしては “出すのが遅いよ” とNHKに悪態を突きつつも、初出場でありながら後半戦のトップバッターに抜擢されたことに今度は “えらい” とNHKを褒めあげる。そして、“どんな衣装で歌うのだろうか、何かやらかしてくれるんじゃないか” などと期待しながら、紅白歌合戦を噛り付いて観たことを覚えている。
記憶は曖昧だけど、確かこの時の小泉さんは、スクールメイツをバックに従えて、パンチラどころかパンツ丸見え状態の広がったスカートのピンクの衣装で「渚のはいから人魚」を歌った。
頭には衣装とセットのかわいいピンクの帽子が乗っていて、曲の初めからその帽子が頭から落ちそうになり、何度も手で押さえていたのだけど、途中でついに頭から帽子をむしり取って手に持ったまま歌い続けたんだ。
髪型が崩れることなどお構い無しで帽子を取って歌う姿に、“さすがキョンキョン、カッコイイ” という感情と、“もっとパンツにカメラ寄らないかなぁ〜” というよこしまな気持ちになったことを覚えている。
とにかく底抜けに可愛かった。
Re:minderでコラムを書かせてもらうことになってから、YouTubeで80年代アイドルの動画を観る機会が増えたけど、小泉さんは惚れ惚れするほど可愛い。
贔屓目なところはあるかもしれないけど、今観ても古臭さをまったく感じないのは僕だけだろうか。80年代の動く小泉さんが観たくてしょうがない今の僕は、当時より小泉さんに恋をしているかもしれない。この感情は我ながらちょっと恥ずかしい。これもRe:minderのせいだ、困ったもんだ。
我慢できずに、『コイズミクロニクル』と同時に発売された『快盗ルビイ』のHDニューマスター版(Blu-ray)も買ってしまった。
繰り返しますが、僕はビクターエンタテインメントの回し者ではありません。
2017.06.06