80年代は女性ヴォーカリストが華々しく活躍した時代でしたが、ロックバンドの中の女性ヴォーカルも輝いてました。
ゴーゴーズやバングルズのような女性だけのバンドも非常にカッコよかったですが、紅一点バンドもけっこういました。そんな中での代表格はプリテンダーズでしょうか。クリッシー・ハインド、カッコよかったですよね。
そして80年代紅一点バンドで、個人的にプリテンダーズに並ぶほど好きだったのがマリア・マッキー擁するローン・ジャスティスとエイミー・マン擁するティル・チューズデイでした。
先日新作を発表したばかりなので、今回はエイミー・マンを紹介しましょう。
85年にティル・チューズデイのベース兼ヴォーカリストとしてデビュー。眼光鋭いエイミーのボーイッシュでファッショナブルなスタイルとニューウェイヴっぽい音が注目を集め、シングル「愛のVOICES(Voices Carry)」は全米シングルチャート8位のヒットを記録します。
私はそのネコっぽいルックスにも相当惹かれましたが、低音とファルセットをうまく使い分ける彼女の声にやられました。「愛のVOICES」以降はヒットに恵まれず、バンドはアルバム3枚で解散しますが、ソロとしての活動のスタートからが彼女の本領発揮と言えるでしょう。
そんな彼女が参加したり、ソロに関わったアーティストは、ジュールズ・シアー、シンディー・ローパー、ラッシュ、エルヴィス・コステロ、マイケル・ペン(ショーン・ペンの兄で彼女の夫)、スクイーズ、ジョン・ブライオンなどなど。渋いというか玄人好みなアーティスト交流に彼女のセンスの良さを感じます。
そしてソロ期におけるブレイクは、ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画『マグノリア』の主題歌「セイヴ・ミー」でしょう(映画冒頭に使用されるスリー・ドッグ・ナイトの「ワン」のカヴァーも良かった)。
バッドフィンガーやブライアン・ウィルソン、007映画のトリビュートに参加してのカヴァーや、映画『アイ・アム・サム』でのビートルズ・カヴァー(夫婦デュエット)も素晴らしく、その活躍はまさに通好みと言えましょう。
そうやってずっとエイミー・マンの落ち着いた趣のある諸作品を聴いてきて「ウン、やっぱいい」と思い、もはや安定充実のアーティストとして信頼し続けてますが、たまに「愛のVOICES」も聴きたくなります。
当時のMTVを意識したややオーバープロデュース気味の作品ではありますが、サビが耳に付いて離れません。
「は~しゅ、はしゅ、きぷみーだんなう」
そしてやっぱり、あのネコっぽいルックスに恋してたんだなあ。
2017.05.24
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