これまで僕は、Re:minderの中で「カープール・カラオケ」に関連するコラムを5回に渡って書いてきた。 そもそも「カープール・カラオケ」は、米国三大ネットワークの1つであるCBSの『The Late Late Show with James Corden』という深夜トークショーの1コーナーとして2015年に始まったが、この番組には他にも様々な企画が存在する。 そこで、今年に入って放送された中から、僕が特に気に入っているものを今回、次回にかけて2つ紹介したい。 1つ目は「Battle of the Singing Waiters」と題したコントだ。この番組のホストであるジェームズ・コーデンは、今年のグラミー賞授賞式で司会を務めたのも記憶に新しいが、非常に芸達者で歌が上手いことでも知られている。 その彼と、今回、番組内のコントで共演したのが “あの” スティングだ。そう、元ポリスのボーカリスト兼ベーシストのことである。 コントの中で2人はレストランのウェイターという設定で、弾き語りでお客を奪い合うバトルを演じている。スティングは「フィールズ・オブ・ゴールド」、「ロクサーヌ」、「孤独のメッセージ(Message in a Bottle)」、「見つめていたい(Every Breath You Take)」の4曲を熱唱してジェームズ・コーデンに対抗しようとするのだが、コメディアン相手に自身の持ち歌を披露するのだから、一体どんなつもりだったのだろう。 実は、このバトルには前哨戦があった。2年前のことである。 2015年5月20日、22年もの長きに渡って全米を笑わせてきた伝説のトークショー『The Late Show with David Letterman』が最終回を迎えた。 そして、番組が終わる頃、収録が行われたNYのエド・サリヴァン・シアターの前に髭面のスティングが姿を現した。長年の貢献に敬意を表するためだ。 いきなり路上でギターを抱えたかと思うと、「見つめていたい」を歌い始め、その光景が直後に始まった『The Late Late Show』のオープニングで放送された。 だが、しばらくするとジェームズ・コーデンがやって来て、“お約束” 通りスティングの歌に割り込んでせっかくのパフォーマンスを台無しにしてしまった… というオチのコントであった。 もしかしたら、スティングは元々ジェームズ・コーデンと仲が良かったのかもしれない。だが、だとしても、“あの” スティングが、まるで『8時だョ! 全員集合』(TBS)のようなコントを演るなんて、贅沢と言えばそうかもしれないが、一方で昔からのファン(特に女性!)に対する裏切りではないだろうか。 ということで、今日は、コントの中でも歌われた「孤独のメッセージ」のビデオクリップを併せてご覧頂き、コントの中のスティングが、ポリス時代、その後のソロ時代からどう変化したか、じっくりと味わってもらえたらと思う。 The Police / Message in a Bottle 作詞・作曲:Sting プロデュース:Nigel Gray, The Police 発売日:1979年9月21日 ■ Fields of Gold 93年6月19日 全英16位 93年7月24日 全米23位 ■ Roxanne 79年5月19日 全英12位 79年4月28日 全米32位 ■ Message in a Bottle 79年9月29日 全英1位 79年12月22日 全米74位 ■ Every Breath You Take 83年6月4日 全英1位 83年7月9日 全米1位
2017.06.19
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YouTube / The Late Late Show with James Corden
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