本コラム第1回で、『茶をしばく』という関西方面の標準的表現を生み出したのは私とツボ君であることをお伝えしましたが、より具体的に証言したいと思います。
ご存じの通り、「しばく」は暴力的な言葉ですが、それが関西に住んだばかりの私には新鮮だったこともあり、友人のツボ君とお茶を飲もうとしたとき、思わず「茶、しばかへんか?」。
これにはツボ君も大笑い。その後は、2人だけでなく、M君やTさんなどを巻き込み、仲間内で使うことが増えました。ちなみに発祥地も明確です。同志社大学新町校舎のベンチ。きっと多くの学生が座ったことでしょう。
さてあるとき、同じ学部のF君に声を掛けられ、「小山、茶しばかへんか~?」。これには笑ってしまいました。思わず「お前、どこでそんな言葉を覚えたん?」と聞き返すと、「みんな使ってるで」だって。その間、わずか2、3週間だったのをよく覚えています。F君に説明したところ、F君は、私の出身地を知っているので、妙に納得。以降言葉の発祥を知っている人は、増えることなく現在に至ると思われます(笑)。
さて私は卒業後、東京の会社に就職したこともあり、以後この言葉を使うこともありませんでした。しかし、卒業して十数年後、テレビでこの言葉を聞くことになります。ある芸人さんがバラエティで、「茶、しばこうや」と発言していたのです。いやはやビックリです。ツボ君は、現在も大阪在住ですので、「そんなん、しょっちゅう聞くで」とのこと。
当時の私たち、何せ1回生で、お金もありませんでしたので、「茶をしばく」ときには必ず学食で無料の「日本茶」ばかり飲んでおりました。そこではいつも、「恋するカレン」が流れておりました。そして必ずツボ君の「ええ曲やぁ〜」。そのため、なぜか今でも曲と言葉がセットになってしまっております。「恋するカレン」がシングルカットされてから1年後、1982年6月の出来事でした。
恋するカレン / 大滝詠一
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
編曲:多羅尾伴内
1981年(昭和56年)6月21日
2016.03.09
YouTube / kame3ch 2
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