男性アーティストのメイクといえば、70年代頃はデヴィッド・ボウイやT・レックスなどのグラム・ロック勢、クィーン、アリス・クーパーなどのハード・ロック勢などがいましたが、80年代には「ウツクシイオトコ」としてのニュー・ロマンティック・ブームというのがございました。
所謂お化粧オトコの大ブームですよ。70年代後半のヴィサージに始まり、ウルトラヴォックス、スパンダー・バレエ、カルチャー・クラブ、ヒューマン・リーグなどのダンサブルなエレクトロ・ポップを主体としたUKバンドが登場、アメリカや日本でも大ヒットしたのです。
なかでも断トツの人気を誇ったのがデュラン・デュラン。日本の洋楽誌の人気投票でそれまでのクィーンの牙城を崩し、あっという間に上位を独占、表紙連発でした。中性的で美形な彼らに対し、「アイドルっぽくって、チャラチャラしてる」みたいな印象と女性ファンにキャーキャー騒がれる、ちょっとしたヒガミから最初は敬遠ぎみ。
でもやっぱりちゃんと聴いてみなきゃ。シックやEW&Fなどに影響を受けたと思わせるメロディアス・ファンキーな楽曲、上手くまとまったタイトなリズム、出しゃばりすぎない上品なシンセ、意外とロックしてるギターなどサウンド面は、なかなか硬派。サイモンのちょっと癖のあるヴォーカルも慣れればけっこう病みつき? ということはやっぱりいい、デュラン・デュラン!てな具合でなんとなく隠れファンでした。
パワー・ステーション、アーケイディアといったメンバーの課外活動の話はまた別機会に書かせていただきますが、UKアーティストとしてはひとつのステイタスでもある007の主題歌をヒットさせた後、リリース数は次第に減少するものの、「オーディナリー・ワールド」「カム・アンダン」など90年代にもヒットを連発し、いまだに現役なのはサスガ! カルトSF映画「バーバレラ」(ジェーン・フォンダの作品の中でセクシー最高峰!)の悪役の名前からとったというグループ名も実はイカしてます。
2016.01.02
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