共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.56 Friends & Lovers / Gloria Loring & Carl Anderson 80年代54番目に生まれたナンバー2ソングは、グロリア・ローリング&カール・アンダーソンの「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」(86年9~10月2週2位)。 80年代の10年間で誕生したナンバー2ソングは、全部で93曲存在している。231曲あるナンバーワンソングよりも共有感の高いナンバー2ソングたち… 例えば、シンディ・ローパー「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」、ネーナ「ロックバルーンは99(99 Luftballons)」といった作品がひしめく93曲の中でも、「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」は、ここ日本では最も共有感の低い楽曲かもしれない。 ビルボード「Hot 100」で最高位2位まで上昇した作品ならば、かなり立派なヒットソングであり、普通ならば大なり小なりアーティスト・楽曲が聞こえてくるものだが、「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」は日本では面白いくらいに聞こえてこなかった。 その理由としては、アメリカでヒットした主な要因が TV ドラマの主題歌だったこと(もちろん日本では放映無し)、歌っていた二人が共に俳優業が主だったこと、よって彼らがこの曲以外にさしたるヒットソングを輩出していなかったことがあげられるだろう。鉄板の男女デュエット、しかも美しいバラードだったものの、まあこういう状況であれば、米国でのヒット感がなかなか伝わりにくかったのも無理はない。 しかし、この「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」を歌っていた女性シンガー、グロリア・ローリングが、実は同曲のヒットから27年後の2013年に再びメディアにその名を浮上させていた。皆さんは2013年ビルボード「Hot 100」において12週連続1位となり、年間チャート2位を記録したメガトンヒット「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪ feat.T.I.&ファレル」を覚えているだろうか? これを歌っていたのがイケメン白人ソウルシンガーのロビン・シック(Robin Thicke)。そして、グロリア・ローリングの結婚した相手の名がアラン・シック(Alan Thicke)―― そう、もうおわかりですね! ロビン・シックの母親は、グロリア・ローリングだったのです。 共有感の最も低いナンバー2ソング、最早それさえも武器になっている感があります。2010年代に再度世間を騒がした80年代のナンバー2ソングなんて、ありそうでいて、なかなかそうあるものではないでしょう。そうなると、もう一度… 10年以内くらいに再々度スポットライトが当たるような気がしてきます。 「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」、実は “持ってる” 楽曲なのかも―― まあ、だからといって1986年当時の共有感が高くなるわけではないのですが。
2018.09.20
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YouTube / Robin Thicke
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