10月7日

全米熱中TV「ファミリー・タイズ」マイケルJフォックスの吹替は宮川一朗太でなくっちゃね!

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マイケル・J・フォックスの “吹き替え” は宮川一朗太、その始まりは?


つい先日、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が今年で公開35年というネットニュースが流れた。35周年記念ソフトに宮川一朗太の吹き替え版が初収録されるというのだ。そのニュースを発信したマグミクスによるタイトルがこれである。

35周年の『BTTF』記念盤の目玉は「吹き替え」。マーティの声はやっぱり宮川一朗太でしょ

コメント欄やSNSでは「だよね。マイケルの吹き替え役は宮川一朗太!」といった書き込みで大盛り上がり!

確かに宮川一朗太は『摩天楼はバラ色に』(1987年)や『ドク・ハリウッド』(1991年)など、マイケル・J・フォックス主演映画でたくさん吹き替えてきたが、でもちょっと待って! そもそもマイケル・J・フォックスの吹き替え=宮川一朗太、の図式が私たちの頭に刷り込まれたのは何が始まりだったのか?

答えは『ファミリー・タイズ』である。

80年代に放送されたアメリカのシットコム「ファミリー・タイズ」


『ファミリー・タイズ』は1982~89年に全7シーズンが放送されたアメリカのシットコム。オハイオ州に住むキートン一家を描いた、すっとぼけホームコメディだ。その人気はすさまじく、年間視聴率は最高で32.7%を記録。マイケルは3年連続でエミー賞コメディ部門主演男優賞を受賞している。

しっかり者で建築家の母・エリス、ヒッピーくずれでテレビ局勤務の父・スティーブン、お金が大好きな自信家かつ保守派の長男・アレックス、おしゃれ命の長女・マロリー、ちょっとマセた成績優秀次女・ジェニファー、生まれたばかりの末っ子・アンドリュー。個性豊かな家族のドタバタをアイロニーあり、涙あり、ユーモアありでゆるく描いていく。

この長男アレックス役でマイケル・J・フォックスは全米アイドルとなり、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公マーティ役を射止め、世界的スターへと上り詰めた。昼間は『ファミリー・タイズ』の撮影、夜と週末は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の撮影、寝る暇なし、なんていう時期もあったそうだ。

20歳の大抜擢で声優初挑戦、マイケルのクセをふわっと再現


日本では少し遅れ、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の大ヒットを受けて、テレビ東京系で 1986年に放送がスタート。その後87年9月まで “全米熱中テレビ” というサブタイトルで第3~4シリーズがオンエアされた。

この時、主人公アレックスの吹き替えに抜擢されたのが、声優初挑戦という20歳の宮川一朗太だった。

生まれた時の泣き声が「mommy」ではなく「money」という逸話を持ち、ニクソンやレーガンの写真を部屋に飾るお金好きのお調子者、アレックス役。私が宮川一朗太の吹き替えが好きなワケは、シットコムならではの観客らの笑い声や空気感、間合いに対して、「あー」「うー」「えーっと」「いやー」と言った言葉の多用でギャグのエアリー感やふくよかさを倍増させていたところ。そして声がひっくり返るところ、なんだけど、実はマイケル自身がセリフの繋ぎで「あー、あー」と言いよどむクセがあって、それをふわっと再現してたのは宮川一朗太だけだった気がする。それにやっぱり、表情豊かなマイケルのどの顔にも宮川一朗太の声が一番似合っている。

各エピソードの翻訳ギャグに爆笑、アメリカ一般家庭の食文化にもびっくり


各エピソードはというと、とにかく日本語のギャグが今観ても断然面白くて、翻訳の方には敬意を表してしまう。タイトルもイケイケ&アホアホすぎて毎回脱帽だった。

■ 複雑怪奇! 家族の絆
■ モロマジ! 夜の自殺電話
■ 段違い! 平行家族
■ のけぞり悩殺美女

… である。もう絶対観たいでしょ? 観たいはずじゃ(笑)!

私はキートン家の隣に住んでいたアレックスの後輩、おとぼけ抜け作スキッピーの大ファンだった。「マッピー? ヤッピー! 僕スキッピー!」といった日本語訳も相当だったし、スキッピーはマロリーに恋をしていてその駆け引きも抱腹絶倒。マロリーの彼氏だったニック登場時の決め台詞「へ~~エィ!」も忘れられない。ニックとスキッピーのマロリーをめぐるやり取りでは、お約束のベタさに毎回爆笑した。

また、当時のアメリカ一般家庭の食文化にもずいぶん感銘を受けた。バケツで用意されるクッキーやらチーズスナック。ホームサイズのアイスクリーム。いつも冷蔵庫から花柄のピッチャーを出してお揃い柄のコップに注ぐオレンジジュース。宅配のデカいピザ。蛇口からではなく、ウォーターサーバーから水を飲むのもびっくりしたっけ。

オープニングテーマはジョニー・マティスとデニース・ウィリアムス


オープニングテーマは未だに歌えるが、タイトルは今回初めて知った。ジョニー・マティス&デニース・ウィリアムスの男女デュエットによる「ウィズアウト・アス」だ。トニー・スコットのサックスがムーディーな、ソフィスティケートされたAOR。特に最後の「♪ シャラララ~~~」が耳に残って離れない。火曜日の夜10時、「♪ シャラララ~~~」ときたら、バイト上がりで疲れた心と体を爆笑で癒してくれる『ファミリー・タイズ』が始まる合図だったのだ。

『ファミリー・タイズ』が放送されていた80年代後半は、他にも『特捜刑事マイアミ・バイス』や『特攻野郎Aチーム』、『こちらブルームーン探偵社』など、地上波のテレビで様々な海外ドラマが楽しめた。最近では韓国ドラマばかりが人気だけれど、テレビならではの吹き替え版アメリカンドラマ、深夜枠あたりで再放送してくれないかな。そうしたらチーズスナックとコーラを抱えて、ワクワクゲラゲラ何時間でもテレビの前に陣取るのに!



2020.11.05
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1970年生まれ
ジャン・タリメー
どういう不思議なタイミングか,ここのところ,かつてのビデオテープの整理で,録画してあった『ファミリータイズ』を見ていたところでした.シリーズ3しかDVD化されていないし,中古市場でかつてのビデオテープは高止まりだし,録画はまちまちだし,フラストレーションがたまる一方の今日この頃です.アメリカで販売されている全シリーズ全巻セットはそろそろ買おうと考えていますが,日本語の(デタラメな?!)吹き替え版がやっぱり最高です.吹き替え版日本語ギャグはわたしのオヤジギャグの元ネタと根源となっています.バケツ・クッキーだけは分かりませんでしたが.残念!ちなみに,アレックスとエレンの恋物語には今でも涙します・・・
2020/11/07 09:00
1
返信
1968年生まれ
親王塚 リカ
う…羨ましい!うちの録画は全て母のなすがままに捨てられてしまいました😂😂アレックスとエレン…お似合いで素敵でしたよね。実際に結婚してしまうなんてロマンチックにもほどがあります!ww バケツクッキー見ませんでしたか??ジェニファーがよく抱えていたようだったのですが!😆
2021/04/24 23:32
0
カタリベ
1968年生まれ
親王塚 リカ
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