TOWER VINYL SHIBUYAがさらにパワーアップ
タワーレコードの旗艦店であり世界最大の規模を誇るCDショップ、タワーレコード渋谷店の今年2月末のリニューアルにより、6階のアナログレコード専門フロア
『TOWER VINYL SHIBUYA(タワーヴァイナル渋谷)』がさらにパワーアップした。
ロック、ポップス、ソウルなどの洋楽、そしてシティポップ人気が著しいJ-POPまで、フロア面積拡大に伴い在庫数も10万枚以上に増えたのだという。いつ訪れても活気に満ち、特に海外からの観光客で賑わう売場で、中古事業部のスペシャリスト、田之上剛さんと、部長の渡辺能文さんにお話を伺った。
ぜひとも皆さんがお持ちのレコードを売っていただきたい
一一 やはり外国のお客様が多いですね。
新宿からこちらへ移転(2021年9月)してから1年ぐらいはそうでもなかったんですが、コロナ禍の状況が変わってから徐々に増えてきたという感じです。新宿ではお客様の年齢層がかなり高めだったんですけれども、渋谷に来てからは若い方ですとか、学生さんもずいぶん増えましたね。
一一 それまでのリアルタイムのレコード世代がアナログを買うみたいなところから、海外の方も含めて新たなお客様層が開拓されたという感じでしょうか。
それはものすごく実感しています。例えば女子大生3人組がいらして友達へのプレゼントを選んだりとか。あとは高校生の息子さんとお父さまが一緒にみえたり。以前はインスタ映えですとかディスプレイ感覚で買われるお客様も多かったように思いますけれど、その後はリアルにレコードを聴くために買われる方が非常に増えましたね。レコードプレーヤーも置いていますが、いろんなクラスのものが売れています。
一一 ちょうどアナログレコードが見直されてきたタイミングといいますか、いわゆるレコードのブームと連動して、お店も活気づいていらっしゃる感じがします。
タイミングが良かったですよね。おそらくコロナ禍によって自宅にこもることが多くなってしまった分、レコードの需要も高まった。そういった面でもちょっと拍車がかかったのかなという気はします。そうなるとありがたいことにレコードをたくさん買っていただくことで仕入れが追いつかないっていう状況になってまして、ぜひとも皆さんがお持ちのレコードを売っていただきたいのです。
海外のお客様からすれば、J-POPはワールドミュージック
一一 今、大人気のシティポップは昭和の時代にはまだそんなカテゴリーはなくて、ニューミュージック的なものとして聴かれていましたよね。ヒットしたものはかなりの枚数が流通してるはずなんですけど、それでも供給が追い付かないのはやはり海外のコレクター需要がそれだけあるということでしょうか。
一番の理由は、海外のお客様ですね。J-POPは彼らからすればワールドミュージックですけど、そこにすごく興味を持っている方が多いみたいで。サブスクなどで日本の音楽をチェックし、昔のものだけじゃなくて新しいものとかもたくさん買いに来られるんですよ。一方で買取りは、いいものを厳選して持ってこられる方が多いです。今は、海外のお客様も含めて、急激にお客様が増えているので、商品はいくらあってもありがたいという状況です。
国内盤のLPは帯付きがポイント
一一 買取りで持って来られるのはやはり50〜60代くらいのレコード世代の方が多いんでしょうか。
基本的にはその世代の方が多いですね。当時持っていたレコードを売りに来られる。ブームの今だから売った方がいいかな、みたいな方も多いのでありがたいです。CDも宅配では買い取りしてるんですけど、やはり店頭にレコードをお持ちいただけると嬉しいですね。
一一 この辺りのジャンルやアーティストのものを特に欲してらっしゃるというのはありますか?
どんなジャンルもありがたいのですが、まずは、J-POPですね。あとは帯付きのジャズ。もちろんロックとかもやっぱり需要があるので。国内盤のLPは帯付きがポイントになります。あるとないとでは査定がかなり変わってきますので。とにかく今は海外のお客様も多いので、これまであまり価値が見出だされていなかったようなものも実は価値が上がっていることが多いんです。
一一 レコードを買いに来られるお客様は、普通の方が懐かしんで買われるよりも、音楽好きのマニアとかコレクターの方が来られる方が多いんでしょうか。
どちらもいらっしゃると思いますが、特定のものを探しに来られる方は多いかもしれませんね。ですので、しっかりとした値段をつけてもちゃんと売れる。適正な価値を判る者が査定をして、買う方もそれをちゃんと見定めてみたいな。レコードにとってもそれが一番ですよね。そして、売ってくださる方が損をしないように。さすがに特殊なジャンルやコンディションの良くないもので買い取れないものもあるんですけど、基本的にウチでニーズがあるもの、ほかにも誰々のプロデュースとか、誰々の作曲とかで付加価値をつけられるものについては積極的に集めていきたい。1枚1枚査定して、高額で買取らせていただく方針です。
シティポップを語る上でもアイドルは重要
一一 アイドルとかは全般的によく売れる感じですか?
シティポップを語る上でもアイドルは重要で、みなさん “脱アイドル” の方向性になるといろんな作家さんが参加されたり、音楽的にもクオリティの高いアルバムを出してたりするので、その辺は特にニーズがあるんですね。当時ヒットして流通量が多いものでも、視点が変わって今のニーズがある。松田聖子さんや中森明菜さんにしても、今の若い方々にも人気がありますよね。
一一 タワーレコードの店員さんはお若い方がとても多いですが、やはり音楽好きが集まる感じなんでしょうか。
そうですね。レコードにこだわりのあるレジスタッフもいますし、やはりみんな音楽好きなのは間違いないと思います。若い子はデジタル系が得意ですから、スマホでいろんな音楽を聴きまくってますよね。 最新の音とかを追っかけるのはかなり早いんで、そこはもう我々は負けちゃうかな。その分、こちらは誰も知らないいいレコードをひたすら探します(笑)
誰もが気軽に足を運べる上に品揃えも豊富、なおかつ居心地いいレコードショップ
一一 では改めて読者の方にタワーレコードさんからのメッセージをいただけましたら。
自宅で眠らせているレコードがありましたらぜひお持ちください。今、 本当に売り時であり、買い時でもあります。特に海外のお客様も多い今は、売るには1番いい時期だと思うんです。値が下がってしまうタイミングも来るはずですから、正直今がチャンスだと思います。かっこよく言ってしまうと、自分たちが持ってる音楽を次の若い世代に渡してゆくという感覚じゃないですかね。そうやって昔の音楽もどんどん聴き継がれていけばいいのかなと思っています。そんな感覚で皆さんのレコードを売っていただけたら嬉しいです。
一一 最後に買いに来てくださる方のポイントも教えてください。
はい。ウチは都内では最大の売り場面積を誇っていますので、中古だけでなく新品の品揃えに関してはむしろ100パーセントどこにも負けない自信があります。盛んに出されている復刻盤も限定品が多く、ちょっと油断するとすぐなくなってプレミアがついてしまうものもたくさんある。そのあたりも交渉してかなり枚数を集めたりしてますので、ほかで売り切れていてもここに来れば買えるっていう感覚を持たれてるお客様もいらっしゃるようです。中古盤についても今よりもっとジャンルの幅を拡げようとしています。国内の買取りでは集まらないものは海外での買付けを強化したり。そういった意味でも、知らない音楽との出会いはできるかなと思います。皆様のお越しをお待ちしております!
ーー 誰もが気軽に足を運べる上に品揃えも豊富、なおかつ居心地もいい。そんなレコードショップを目指しているという
『TOWER VINYL SHIBUYA』は、限りなく理想のレコード店に近づいている気がする。実は買取りに絶対の自信があるという言葉を裏付けるため、リマインダーのスタッフが匿名で買取りをお願いしてレコードを預けてみたところ、1枚1枚丁寧に査定された上に、予想以上の総額が提示された。中には万単位の評価を得たLPもあり、高額査定に嘘がないことが実証されるに至ったわけである。今までレコードを売りに行ったことがない貴方もこの機会にぜひとも。
次世代への音楽の継承に一役担ってみませんか?
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2024.09.20