LET ME KNOWの10曲⑥ 風にきえないで / L'Arc〜en〜Ciel
「初なfeeling」の配信がスタートしたLET ME KNOW 9月24日に配信がスタートした「初なfeeling」がiTunes storeランキング(オルタナティブ部門)にチャートイン!これまでの彼らになかったダンサブルなビートと哀愁が絡み合った新境地を見せ、絶好調とも言っていいLET ME KNOWの連載『LET ME KNOW が選ぶ10曲』も今回で第6回目。
メンバー3人のルーツを紐解きながら彼らの音楽性の核心に迫っていきます。今回はドラムのLyoが登場。挙げてくれた1曲はL'Arc〜en〜Cielの「風にきえないで」。以前、ギターのKen_Mが同じくラルクの「Blurry Eyes」を挙げてくれましたが、LET ME KNOWがラルクから受けた影響は計り知れないようです。
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“こういう曲を作れたらいいな” という憧れも含め選んだ「風にきえないで」 ―― 音楽の入口はKen_Mさんと同じく、L'Arc〜en〜Cielだったと聞きましたが?
Lyo:バンドとしてはラルクからですね。
―― バンド以前に音楽っていいな、と感じたのは?
Lyo:最初に買ったCDはKinKi Kidsでした。しばらく好きだったのですが、中学2年の時に『ミュージックステーション』でラルクを観て衝撃を覚えました。完全に一目惚れ、一聴き惚れですね。そこからはずっとバンド一筋です。
―― それで、今回挙げてもらったのが彼らの「風にきえないで」ですね。
Lyo:単純に好きな曲というのもありますし、ラルクって良い曲が多いので1曲に絞るのが難しいのですが、ラルクが影響を受けたザ・スミスのニュアンスと、わかりやすいポップスが入り混じっているのが「風にきえないで」だと思います。ちゃんとバックボーンがあった上で自分たちの音楽性を打ち出しているところが素晴らしいですね。僕ら自身もバックボーンを大切にしていきたいのですが、尖りすぎたら良くないなと。やはり、わかりやすいポップスを混ぜていかないと多くの人には響かないですよね。その辺りを考えながら “こういう曲を作れたらいいな” という憧れも含め選んだのが「風にきえないで」です。
―― そう考えると、ラルクって深掘りが出来るバンドですよね。
Lyo:本当にそうなんです。コアなファンはみんなその辺りの凄さを知っていると思いますが、もっと知って欲しいですね(笑)
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音楽をあまり聴かない人にも “いいな!” と思えるバンドになるというのが一番 ーー ラルクは素晴らしいバンドなので、バックボーンを知らなくても、満足してしまうファンが多いと思います。LET ME KNOWもラルクと同じように、色々なバックボーンが見えるバンドだと思います。だけど、そういうバックボーン的なところを抜きにしても純粋にいいバンドだなと思います。
Lyo:音楽をあまり聴かない人にも “いいな!” と思えるバンドになるというのが一番だと思っています。それと、ラルクもそうですけど、このバンドをきっかけに音楽を始めたいと思ってくれるバンドになりたいですね。
―― それはあり得ると思います。LET ME KNOWは若い人が楽器を手にしたくなるような魅力があります。そういう衝動を与えるというのは、ロックバンドとして大事だと思います。
Lyo:だからラルクもそうですし、X JAPANとかも “俺もこうなりたい” と思わせるバンドなんですよね。僕はこっち側のアーティストになりたい。僕がドラムというポジションを選んだのも、X JAPANからの影響というのが大きいですね。YOSHIKIさんです。ラルクから、同時代のヴィジュアル系をたどっていけばX JAPANに行き着く。そこでドラムってカッコいいなと。そこが大きな理由です。
僕もKen_Mもそうなんですが、年齢を重ねていく中で、自分の好きな音楽というのが変化していきますが、結局どの年齢の時も立ち返ってもらえるのがラルクやX JAPANでした。ラルクには、sakuraさん、yukihiroさんという2人のドラマーがいますが、どっちにも、それぞれの良さがありますね。
出過ぎず、メリハリをつけて、印象的なプレイになるように心がけています ―― Lyoさんのドラムは、バンドのアンサンブルを大切にしているなと感じました。抑えるところは抑えていると。
Lyo:きっかけはYOSHIKIさんですが、今の自分にとって “ドラムとはこうあるべきだ” と考えると、ラルクの影響が大きいですね。出過ぎず、メリハリをつけて、印象的なプレイになるように心がけています。
―― YOSHIKIは、ドラムでも主役になれる!というエモーショナルな印象がありますが、そことは違う印象があります。
Lyo:そうですね。ただ、ライブアレンジということでツーバスを入れたりもしています。そこはX JAPANの影響ですね。
―― ラルク、X JAPANと日本の音楽にもかなり影響を受けているということですね。
Lyo:ヴィジュアル系というところからは大きな影響を受けています。La'cryma Christiも大好きです。この辺りもラルクからたどり着いたという感じです。ニューウェイヴのバンドもラルクからの影響ですね。
バンドを続けるのだったら、パイオニアにならないと意味がない ―― もちろん、LET ME KNOWはX JAPAN、ラルクをはじめとするヴィジュアル系とは、違うアプローチですよね。今までのバンドのフォーマットにはない新しいことをやろうとしていますよね。
Lyo:バンドを続けるのだったら、パイオニアにならないと意味がないと思っています。やはり今の時代にないものをやっていかないとそうはなれないなと。ただ “なんとなくいいよね” では終わらせたくないですね。
―― 誰かの真似では終わらせたくないと。そこは人生かけてやっているわけですね。
Lyo:そうですね。“売れる” という意味でもそうですし、自分たちのこだわり、プライドという面でも、そう考えています。そこを自分たちの軸としてやっていかないと気が済まないので。
―― 新しいことをやって、初めて観た人が衝動を感じるバンドということですね。ただ、そこはすごく難しいと思います。
Lyo:本当に難しいです。他のアーティストのライブを観て “ここはかぶっているな” と思うこともありますし、派手にやればいいものでもない…。
―― 例えば、X JAPANを真似するだけでX JAPANになれるわけでもないと。
Lyo:そうなんですよ。もうX JAPANは存在しているわけですから。もちろん影響を受けつつも同じことをやっても仕方ないなと。
これまでとは違ったイメージが出せた「100円キッス」 ―― そういう意識の表れなのか、「100円キッス」はオリジナリティが溢れていると思いました。
Lyo:「100円キッス」はヴィジュアル系や、ニューウェイヴからの直接的な影響で作った曲ではないです。ただ、僕らの音楽はKen_Mのギターとシンセが肝になっていますので、そういった部分からニューウェイヴ的なエッセンスを感じてくれる人もいるかもしれません。
―― 普遍性を感じますよね。ニューウェイヴ感は「偽愛とハイボール」より抑え気味になっていて、誰もが共感できる世界観をしっかりと打ち出しているように感じました。
Lyo:ミュージックビデオも含めて、これまでとは違ったイメージが出せたと思います。今回のような可愛い女の子を出してというパターンは好きではなかったのですが、監督と打ち合わせをして “台湾映画” というテーマを立てて、サウンドとマッチするような画作りを考えてもらいました。
―― ストーリーもバッドエンドで個性的でした。YouTubeのコメント欄を見ると、かなり好意的ですよね。
Lyo:LET ME KNOWの今までとは違う一面を受け入れてくれたのが嬉しかったです。
―― 今は女性のファンが圧倒的に多いですが、男性にももっと観て欲しいということですね。
Lyo:もちろんです!Re:minderで、このインタビューを読んでいる読者にも観に来て欲しいなと思います。
―― 僕もLET ME KNOWには、こういうバックボーンがあるんだ、こういう意識でやっているのだよというのを伝えていければと思っています。それで聴き直すと、改めて良さが分かってくる。今の流行に乗せて作ろうとか、そういう意識ではないのがわかるので。
Lyo: “この流行りに乗ろう” という意識はメンバー全員が一切持っていなくて、自分たちで流行を作っていこうと思っています。
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▶︎ 2024年12月19日(木)
【東京】EX THEATER ROPPONGI
▶︎ 2024年12月21日(土)
【韓国】YES24 WONDERLOCH HALL
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2024.09.30