2024年 9月24日

LET ME KNOW が選ぶ10曲【インタビュー】ザ・スミス「サム・ガールズ」からの衝撃!

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LET ME KNOWの10曲 ⑦
Some Girls Are Bigger Than Others / The Smiths

「初なfeeling」で新境地を見せたLET ME KNOW


9月24日に配信がスタートした「初なfeeling」が iTunes store ランキング(オルタナティブ部門)にチャートインして、新たな新境地を見せたLET ME KNOW。“ノスタルジックモダン” というテーマを掲げ、今年4月に配信した「偽愛とハイボール」はシティポップファンも唸らせたが、今回は80年代のニューウェイヴ・ディスコともいえる郷愁を新しい解釈でアウトプット。彼らの引き出しの多さには驚くばかりだが、その根底にある日本のロックから、80年代の英国ニューウェイヴまで、飽くなき探究心で音楽を追求していく姿勢をこの連載で感じ取って欲しい。

連載『LET ME KNOW が選ぶ10曲』も今回で7回目。ギターのKen_Mが挙げてくれた1曲はザ・スミスの「Some Girls Are Bigger Than Others」。この曲を通じて音楽の掘り下げ方についても語ってもらった。



40年近く前なのに、こんなにおしゃれなフレーズがあるんだ


ーー 今回は洋楽からということで、ザ・スミスの「Some Girls Are Bigger Than Others」ですね。

Ken_M:これを最初に聴いた時、すごく衝撃を受けて。まず、この曲が纏うお洒落さに驚きました。40年近く前の曲なのに、令和に聴いてもお洒落という。年々音も進化していく中で、昔のロックってどうしてもイナたく(泥臭く)感じてしまうことが多く、そこがまた良さでもあるのですが、スミスは今聞いてもこんなにおしゃれなフレーズがあるんだ!と、そう思わせてくれるバンドです。

それに歌詞で表現しているテーマも興味深かったです。ど頭から “氷河期から失業手当の時代に至るまで、ひとつの関心ごとがあるのに僕は気づいてしまった” という歌詞から始まり、サビで「♪Some Girls Are Bigger Than Others」とずっと歌っているのですが、大昔から現在に至るまで共通して人間が思うことは、”Some Girls Are Bigger Than Others” であると。つまりいつの時代も男性も女性も自分と相手の体型のことについて、気にしている。人間の真理だなと思いましたし、その視点がユニークに感じました。

―― スミスって社会情勢をテーマにすることが多いですよね。そこに棘を潜ませているというか。

Ken_M:アルバムのタイトルにしても『ミート・イズ・マーダー』とか『クイーン・イズ・デッド』とか、かなり尖っていてひねくれていますね。そういう着眼点のユニークさも含めて考えさせられる部分も大きいですし、ずっと聴いていられます。

―― ギタリストとして、ジョニー・マーからの影響も大きいですか?

Ken_M:ありますね。アルペジオで単純ではないコードに行くというジョニー・マーのスタイルには影響を受けています。それこそ、ラルクもそういうギターフレーズが多いんです。僕の場合、ラルクのルーツを遡ったらスミス、キュアーがいたという感じです。好きなバンドを遡ることで出会えたという部分が自分の中でも大きいです。

ーー スミス、キュアーって、病んでいる部分もありますよね。

Ken_M:サウンドからも歌詞からもそういう部分は感じます。

―― そんなモリッシーやロバート・スミスはイギリスでは国民的な支持を得ていますよね。LET ME KNOWの中の病んでいる部分というか、内省的な部分はありますか?

Ken_M:あると思います。そういう繊細な部分を音でしっかり表現していくという部分もバンドの土台のひとつになっています。



曲で勝負するというのがバンドの本質だと思っています


―― バンドとしての土台を築いた後にどんどん新しいアプローチをしていくということですね。

Ken_M:まさにそうですね。土台をしっかりと固めながらも徐々にアップデートして、いいものは積極的に取り入れていきたい。でも、例えば最初に洋楽的なアプローチをしていたのに、突然ガラッとJ-POPになったら軸が曖昧になってもはや聴く人の層が変わってしまうので… そういうアップデートは避けたいです。今聴いてくださっているファンを戸惑わせたくないですし、自分たちも「あれもこれも」にはなりたくないと思っています。

―― カバーをやってみようとか、そういう考えはないのですか?

Ken_M:そうですね、いつかライブではやってみたいですね。どこかのタイミングでできればと思います。

―― ライブに来ているファンの子たちは、バンドを好きになったのはLET ME KNOWが初めてなのかなという印象がありました。

Ken_M:そうかもしれませんね。 “初めてライブに来ました!” みたいな人も結構いると思います。

―― ただ、視線の “熱” がすごいなとも思いました。本当に好きで来てくれているんだなと。

Ken_M:SNSから実際に会場に足を運んでくださる方がたくさんいて、本当にありがたいです。ライブに慣れていない方が多い分、いい思い出を持って帰っていただきたいですね。

“ノスタルジックモダン” というテーマを掲げてやっているので、狙い通りです


―― 新たなライブバンドのあり方を見せるということですね。

Ken_M:そういう風になれたらいいなと思っています。それで音楽好きの男性のファンも増えていけばいいなと思います。

―― ライブで女性ファンばかりだと、男性のファンはなかなか行きづらいですよね。

Ken_M:まぁ、それは否めないですね。僕も1人でライブに行ったら女性ばかりで気まずいなと感じた経験があります。

―― ファンからは、どのような声をもらっていますか?

Ken_M:YouTubeのコメントを見ると “懐かしいけど新しい” といったような声が多いです。僕らは “ノスタルジックモダン” というテーマを掲げてやっているので、狙い通りですね。こちらが意図していることがちゃんとファンに伝わっているのは嬉しいです。

―― 音楽が好きで色々聴いている人たちにもしっかり刺さっているということですね。

Ken_M: “理解してくれてありがとうございます” と、すごく感謝しています。



海外に向けてのアプローチも積極的にやっていきたい


―― LET ME KNOWをシティポップ的な捉え方をしている人もいると思いますが、Ken_Mさんにとって、ロックバンドとはどのようなものですか?

Ken_M:まず、LET ME KNOWはロックバンドでありたいと思っています。スミスとかキュアー的な繊細な部分も含めて広い意味でのロックバンドでありたいです。人によっては “あれはロックじゃない” と言うかもしれませんが、彼らこそロックバンドだと思っています。

―― LET ME KNOWが新しい時代のロックバンドとしてのフォーマットを作って行けば良いと思います。今後の展開はどのように行きたいですか?

Ken_M:フェスも体験しましたし、少しずつステップを上げてワンマンで大きな会場でやっていけるように狙いを定めて着実にやっていきたいです。あとは、海外のライブハウスでもやっていきたいですね。もちろん曲のアップデートも大切になります。

―― 国内と海外に向けての活動というのは、同時進行ということですね。

Ken_M:そうですね。どこに可能性があるかわからない時代なので、海外に向けてのアプローチも積極的にやっていきたいです。

Information
NEW LIVE「LET ME KNOW LIVE TOUR 2024 -Nostalgic Modern- II」 開催決定!


▶︎ 2024年12月10日(火)
【愛知】名古屋DIAMOND HALL

▶︎ 2024年12月19日(木)
【東京】EX THEATER ROPPONGI

▶︎ 2024年12月21日(土)
【韓国】YES24 WONDERLOCH HALL

▶︎ 2024年12月26日(木)
【大阪】梅田CLUB QUATTRO

チケット販売中!
https://letmeknowmusic.jp/

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2024.10.14
90
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カタリベ
1968年生まれ
本田隆
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